囲碁

生成AIによる囲碁リーグ戦の手合つき総当りの組合せ表の作成

1. 概要

本稿は、生成AIChatGPT等)を用いて、囲碁リーグ戦の総当り組合せ表をExcel形式で自動作成する手順を示す。
組合せ表には、各対局の開催日(週次スケジュール)と、対局者の持ち点差に基づく手合(互先/定先/置石数/コミ等)を併記する。
人数は入力Excelから自動判定し、奇数人数の場合はBYE(不戦)を自動付与する。

2. 特長

  • 奇数・偶数を自動判定し、奇数人数ではBYEを追加して総当りを成立させる。
  • circle method により、重複のないラウンドロビン(総当り)を生成する。
  • 開始日(START_DATE)を指定することで、週次の開催日(列見出し)を自動生成する。
  • 持ち点差(diff)の絶対値から、手合割表に従って手合を自動判定し、セルに2段表示する。
  • 自己検証(自動チェック)を実施し、総当り成立・重複有無・持ち点の整数化などを確認する。
  • 出力はExcel.xlsx)。

 3. 構成(成果物と流れ) 

  1. 入力Excel(メンバー表)を用意する
  2. プロンプト(奇偶自動判定・手合表入り)を生成AIに与える ダウンロード
  3. 生成AIPythonコードを生成・実行し、Excelの組合せ表(.xlsx)を出力する
  4. 必要に応じて、出力Excelを匿名化し、ブログ用画像(PNG)に変換する

4.インプット箇所(ユーザーが指定・変更する項目)

本プロンプトの利用にあたり、利用者が指定する主な入力は次のとおり。

4.1 メンバー表(入力Excel

  • Excel内に「氏名」「持ち点」の2列を持つ表を用意する。
  • AI側は、セル内容から「氏名」「持ち点」のヘッダ行を探索し、ヘッダ直下の連続行をプレイヤーとして読み取る。
  • 氏名は「姓 名」(全角スペース区切り)を推奨する(苗字抽出のため)。
  • 持ち点は数値(または数値文字列)とし、AI側で整数に変換する。

4.2 日程(START_DATE

【E0. 日程入力(利用者が変更する1行)】の中の
----------------------
次の定数を必ず定義してください:
START_DATE_STR = "2026-02-18"
--------------------------
の部分の” 2026-02-18”の日付を書き換えてください。このプロンプトでは、週1回同じ曜日に対局するようになっていますので、他の予定の場合はここの指示文を変更してください。

4.3 手合割表(diff→手合)

  • 持ち点差の絶対値 diff に対して、手合(互先、定先、置石、コミ等)を割り当てる表をプロンプト内に記載してある。手合割表の出所
  • 異なる手合割方式を使う場合は、diff→手合の表を差し替える。

5.注意(前提条件・エラー条件)

  • 入力Excelは「氏名」「持ち点」ヘッダの直下に、プレイヤー行が空行なしで連続している必要がある。途中に空行がある形式はエラーとする。
  • 氏名にスペースがない(苗字と名前の区切りがない)場合、相手表示が「フルネーム」になり得る。
  • 持ち点が数値化できない(空欄・文字列のみ等)場合、処理を中断する。
  • 総当りの自己検証で、
    • ペア数が N×(N-1)/2 に一致しない
    • 同一ペアの重複がある
    • 手合計算不能(想定外diff)が含まれる
      のいずれかを検出した場合、Excel出力は行わず、検出内容を表示する。
  • 人数が増えるほど、ラウンド数(偶数:N-1、奇数:N)が増え、表が横長になる。表示・印刷には適宜調整が必要。

6.作成した例(出力イメージ)

6.1 出力Excelの形式

  • 縦:A列に氏名、B列に持ち点
  • 横:C列以降に開催日(週次)
  • 各セル:2段表示
    • 1行目:対戦相手の苗字
    • 2行目:手合(コミ込み表記)
  • 奇数人数の場合、不戦(BYE)となる週はセルを空欄とする(別途「空欄=不戦」の注記を表内に記載可)

6.2 入力・出力ファイル例

1.11人(奇数)の例: 毎週5局+不戦1名、全11ラウンド

Kumiawaseo_20260219161901

入力メンバー表(例)ダウンロード

出力組合せ表(例)ダウンロード

2.10人(偶数)の例: 毎週5局+不戦1名、全9ラウンド

Kumiawasee

 

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囲碁AIを用いた手合割の設計

このたび、囲碁の手合割について検討してレポートにまとめました。

期待目差Δに基づく囲碁手合割表の設計」というテーマで、囲碁AIKataGo)の評価をもとに、置石・コミ・実力差の関係を一つの共通尺度で整理し、手合割を「設計問題」として捉え直したものです。

レポートのダウンロード

英語版のダウンロード

Aihandicap3

背景と問題意識

囲碁の手合割は、実力の異なる対局者同士でも「だいたい互角」に打てるようにするための重要な仕組みです。

しかし実際には、

  • 置石1子は何目相当か
  • コミはどの程度効いているか
  • 持ち点差と手合割の関係

といった点について、経験則はあるものの、共通の数理的尺度で整理された体系は十分ではありませんでした。

考え方

この検討では、囲碁AIが出力する「期待目差ΔExpected Score Difference)」を共通尺度として用います。その結果、

  • 置石113
  • コミ11

という関係が、AI評価によって明確に裏付けられ、

  Δ ≈ 13n − 7 + (0.5 − k)

という単純な線形式で整理できることが分かります。

さらに、実力差dをこのΔと同一尺度で扱うことで、

 手合割とは「Δ = 0 を満たす条件を設計する問題」

として統一的に理解できるようになります。

手合割表の設計と比較

この枠組みを用いて、いくつかの代表的な手合割表を整理しました:

  • A方式:理論ベースラインに最も忠実(参照用)
  • B方式:実用的で親しみやすい標準型
  • C方式:簡便さ重視(コミ固定)
  • B1方式:既存コミで整合性を改善した案
  • 2B1方式:今回提案する新しい手合割

これらはいずれも、同じ理論の上に立つ整合した方式ですが、

  • 精密さ
  • 滑らかさ
  • 運用の簡単さ

といった点で性格が異なります。

新しい手合割「2B1」について

今回のレポートでは、新たに 2B1方式 を提案しています。これは、

  • 1子 ≈ 13目 の基本関係を維持し
  • ベースラインとの整合を改善し
  • 互先の幅(d = 06)を確保しつつ
  • 各手合を滑らかに変化させる

ことを目的とした設計です。

2b1e

そのために、

 3.5目・−3.5目という新しいコミ

を導入しています。

Baseline-a_with_2b1_overlay_20260321123201

従来の枠を少しだけ広げることで、全体としてより自然な構造が得られる点が特徴です。

実用上の選択

本レポートの結論としては、

👉「どれか一つが正しい」というよりも
👉
「利用するグループに応じて選ぶべき」

という立場をとっています。

  • 簡単に運用したいC方式
  • 一般的でバランス良くB方式
  • より進んだ設計を採用2B1方式

という整理になります。

おわりに

囲碁の手合割は、これまで経験則の集積として扱われてきましたが、

 👉 AIによって定量化された「尺度」を使うことで、設計問題として扱える

段階に来ていると感じています。

今回のレポートは、そのための一つの枠組みを提示したものです。ご興味のある方は、ぜひ本文をご覧いただき、ご意見を頂ければ幸いです。

なお、この囲碁AIを用いた手合割については、下記のブログ記事で図表を用いて説明をしています。

 「囲碁AIソフトの目差計算に基づくて手合割表-- 期待目差Δに基づく手合割

 「囲碁の点数制の手合割方法--どのような手合割表が良いか?

 

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堀・囲碁五訓 -- 「ポカ」を減らすための実戦メモ --

囲碁の負け方には、大きく二種類ある。読んで負ける(実力負け)と、読まないで負ける(自滅)である。私の場合、ときどき後者――いわゆる「ポカ」が出る。

負けた碁を後で見返すと、「当然読めるところを読んでいない」「気づくべき点に気づいていない」ことがある。これは棋力というより、“思考エンジンが掛かっていない瞬間”の問題だ。

そこで自分用にまとめたのが、「囲碁五訓」である。これは技術論というより、対局中の“頭の使い方”の訓示だ。

Igogokun_1

堀・囲碁五訓

  1. 序盤は大局的に
  2. 中終盤は整理して考える
  3. 形勢は「時々」確認する
  4. 危機は冷静沈着で
  5. チャンスは準備してから打つ
    (追記・赤字)打つ前一呼吸、読み筋再確認

以下、この5訓を簡単に解説してみる。解説動画

1.序盤は大局的に

序盤は、局所の読みより「方向」と「効率」。ここで小さな読み合いに没入すると、相手の厚みを育て、こちらが薄くなる。序盤に必要なのは、「勝ちに行く」より「負けない形」を作るほうが結果的に強い。小得より全局の厚みを優先できるようになりたい。

2.中終盤は整理して考える

中盤以降は情報が一気に増える。ここで起きるのが、よく言う「認知負荷オーバー」だ。
読もうとしているのに、頭の中の“開いているタブ”が多すぎて処理が追いつかない状態である。

この訓のポイントは「整理して」だ。整理とは、要するに(A)弱い石を特定→(B)守る/逃げる/捨てるを決める、の順に思考を直列化すること。感覚で全部やろうとすると崩れる。順番を決めて“一本道”にできれば崩れにくい。

3.形勢は「時々」確認する

形勢の雰囲気は常に感じているが、目数で点検する習慣はまだ弱い。形勢は「時々」確認するのがよい。

私の場合、チェックのタイミングは次の3つに絞っている。

・部分戦が一段落した時

・大きな交換の直後

・「勝ってそう/負けてそう」と感じた時(←この感情が出た時ほど危険)

形勢判断は、エンジンの回転数を上げる道具ではなく、走り方を修正する標識だと思う。

4.危機は冷静沈着で

危機の時に崩れないためのコツは「勇ましく戦う」ではなく、この場面での損を減らし、次の反撃も視野に入れて考えること。慌ててマイナスの手の連続になることを避けて、損得勘定をして損を値切るように冷静沈着に打てたら良いと思う。

5.チャンスは準備してから打つ

チャンスに見える局面こそ、頭がふわっとする。「ここだ!」という時に、読む前に手が出る。これは、もう一つの失敗モード -- 低覚醒(オートパイロット)。=「何となく自然」に見える手が、そのまま出てしまう状態だ。

チャンスは、準備ができて初めてチャンスになる。準備とは、簡単に言えば「反撃されたときの出口」を持つこと。出口がない攻めは攻めではなく、突撃である。

追記:打つ前一呼吸、読み筋再確認

この一文は、特に死活の取り逃し/守り間違いが印象に残ったため、5訓の下に赤字で追加した。

私のポカには「気づいてはいるが、真剣な思考に入っていない」ケースがある。さらに厄介なのが、少し前に読んで「解決済み」と思い込んでいるパターンだ。だが囲碁は一手で条件が変わる。“さっきの結論”は、今の盤では平気で無効になる。

だから、打つ前に一呼吸。そして自分に一言だけ問う:「読み筋、再確認したか?」 この“一呼吸”は、前の読みの惰性を切って、現在の盤面で再起動するためのスイッチだ 。

実戦での運用: 紙と独り言と一服

ネット碁の利点は、独り言が自由なことだ。私は今、短い言葉のリストを印刷して目に入る場所に置いている。ポイントは、毎手やることではない。1局に23回でも「戻って来られる」ことが目的だ。

  • 迷ったら:「弱い石はどれ?」
  • 有利だと思ったら:「ここから守り」
  • 死活や大きな折衝が出たら:「一呼吸、再確認」

さらに、重要局面で頭が回らなくなったら、あえて“次へ移る”より、一服(お茶を一口、姿勢を正す、深呼吸)のほうが効くことがある。これは逃げではなく、思考を回復させるための手順である。

おわりに:勝負は、下駄を履くまで分からない

最近の一局でも、こちらの放心の2手で大崩れしたが、最後に相手の放心が出て逆転した。これが現実だ。だからこそ、私が目指すのは“妙手”ではなく、「崩れない碁」である。この5訓は、そのためのスイッチであり、手摺だ。私はこの5訓を壁に貼っている。

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AIによる棋譜の解析・評価レポートの作成 ― 第2回 プロの棋戦の場合

「AIによる棋譜の解析・評価レポートの作成」テストの第2回として、今回はプロ公式戦を題材にした。

使用棋譜
 第51期天元戦 挑戦手合五番勝負
 一力遼天元 ― 志田達哉八段 第3局
 対局日:2025年11月9日
 配信:日本棋院 囲碁チャンネル

1.棋譜の LizzieYzy による解析

棋譜解析条件
 使用ソフト:Lizzie Yzy 2.5.3
 エンジン:OpenCL 18B s-913
 GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti
 解析時間:1手あたり 15 秒

解析結果
 ① 解析済み SGF 棋譜 ダウンロード

 ② Hawk Eye のスクリーンショット画像
  (正確度・一致率・損失目数の分布などを表示)

Hawkeyeichirikishida2

2.レポート作成

上記の解析結果①②を、生成系AIである ChatGPT 5.1 Thinking にアップロードし、
次の3ステップに分けてプロンプトを入力し、レポート作成を指示した。
 ステップ1:全局レポートの作成
 ステップ2:ローカル局面+部分図の作成
 ステップ3:Word レイアウトの作成

なお、碁盤の座標表示には BLN2式を用いている。

各ステップで得られた ChatGPT のアウトプットに対して、内容面での疑問点、囲碁用語としての表現、図の見やすさなどを指摘し、そのフィードバックを反映した修正を重ねることで、最終レポートを作成した。

以下に、AIが作成した棋譜の解析・評価レポートを示す。

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AIによる棋譜の解析・評価レポート
第51期天元戦 第3局(一力遼天元 vs 志田達哉八段)

BLN2座標を使用
BLN2座標:(x,y) 形式で、xは左→右、yは下→上に1〜19

A

図A 総譜(全182手・BLN2座標)

1.全局の概要

対局:第51期天元戦挑戦手合五番勝負 第3局
黒:志田達哉八段 白:一力遼天元
コミ:6.5目 結果:白番中押し勝ち
解析条件:Lizzie Yzy 2.5.3 + KataGo(OpenCL 18B s-913)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti 1手あたり15秒

序盤は右上・左下の星から、右辺〜下辺へと展開する現代風布石で、AIの評価では40〜60%の範囲で揺れる互角の進行が続きます。
右下に白が掛かったあたりから戦いが本格化し、その後は
① 右下辺の折衝(白52・黒63 前後)
② 右辺〜中央の覇権争い(黒71〜81 前後)
③ 上辺〜中央〜左辺の拮抗(84〜128手)
という三つの山場を経て、少しずつ白がリードを広げ、そのまま押し切った一局というのがAIの見立てです。
終局時点の評価では、白が地合いでおよそ8〜9目リードしている形勢になっています。

2.形勢が大きく動いた局面

(1)右下辺の折衝:白52・黒63 前後
B
図1 右下辺の攻防(白52〜黒63)

白の52 (14,6) から、右下辺〜右辺にかけての攻防が始まります。

・実戦:白52 (14,6)
白勝率は約38.6%で、前手から約9.3%下がり、白が1目弱不利(約−1.2目)の評価になります。
AI第1候補は (16,4) の抑えで、勝率は約48.0%。実戦よりも約9%高く、白から見て互角〜わずか有利を維持できる打ち方です。

白がやや踏み出し過ぎたあと、黒にとっての大きなチャンスが来たのが黒63の局面です。

・実戦:黒63 (16,8)
黒勝率は約40.7%で、直前から約18.5%下がり、ほぼ互角〜白わずか有利(約−0.9目)まで形勢を戻してしまいます。
・AI第1候補(白62直後=黒63の局面): (16,6)
勝率は約59.2%で、ここで(16,6)を打てば黒が明確に優勢になる局面でした。

AIの主候補の(16,6)への出ならば右下の白石により強く圧力をかけながら、右辺〜下辺にかけての黒地も堅実に拡大できる一着と評価されています。

(2)右辺〜中央の覇権争い:黒71〜81 前後
C
図2 右辺〜中央の勝負所(黒71〜81)

戦いの主戦場が右辺〜中央に移ったあたりが二つ目の山場です。ここでは「大場に回るか、局所にこだわるか」という選択が何度も現れます。

・黒71 (7,7)
黒勝率は約26.6%で、前手から約11.6%低下。AI第1候補は (6,17) 左上方面の大場で、勝率は約38.3%です。上辺左寄りから中央を睨んだ大局的な一手で、局地戦より全局バランスを重視した打ち方になっています。

・黒79 (13,10)
黒勝率は約21.5%で、ここでも (6,17) がAIの第1候補(勝率約29.0%)。AIは一貫して「右辺の攻防をある程度で切り上げ、(6,17)で盤全体の大場に回るべき」と判断しています。

・白80 (12,13)
白勝率は約63.7%で、AIの最善は (6,17)(勝率約78.5%)。白もここでやや緩んでいますが、それでも依然として白有望局です。

・黒81 (12,15)
黒勝率は約17.7%で、直前から約18.6%の低下。AI第1候補は (13,16) (勝率約36.3%)の抜きで、右辺の局地戦と上辺側へ展開を見た味の良い手を高く評価しています。

この71〜81の流れを見ると、AIは常に(6,17)や(13,16)といった「全局を見た大場や味の良い手」を主張しているのに対し、実戦の黒は右辺の戦いにこだわり過ぎており、その差が白リード拡大の大きな要因になっています。

(3)上辺〜中央〜左辺の拮抗:84〜128手

D

図3 上辺〜中央〜左辺の仕上げ(84〜128手)

終盤に入った84〜128手の間にも、黒にとっての「最後の粘りどころ」がいくつかありましたが、AI視点ではいずれも十分には活かしきれていません。

・黒87 (3,14)
黒勝率は約9.9%で、前手から約16.2%の低下。AI第1候補は (9,12)(勝率約26.1%)で、中央〜右辺の白石にプレッシャーをかけつつ自陣も整える一手です。

・黒89 (8,13)
黒勝率は約7.6%で、AI第1候補は (3,17)(勝率約13.8%)。左辺寄りの急所を逃し、小場寄りの手を選んでしまった形です。

・黒97 (10,15)
黒勝率は約5.9%で、AI第1候補は (5,14)(勝率約15.3%)。

・黒121 (12,12)
黒勝率は約5.9%で、AI第1候補は (12,9)(勝率約16.3%)。

いずれも一発で逆転するほどの手ではありませんが、候補手との間に10〜16%前後の勝率差があり、終盤でも「少し甘い手」が重なった結果、白のリードが安全圏まで押し上げられたといえます。

3.Hawk Eye の統計から見える傾向

本解析のHawk Eye統計を見ると、両者の打ち筋の違いがよく表れています。

【黒:志田八段】
・正確度:約61.4%
・一致率:約60.4%
・最善手一致率:約50.5%
・目数の平均損失:約0.5目/手
・勝率の平均損失:約1.6%/手
・損失目数の分布(91手):0.5目未満66手、0.5〜1.5目13手、1.5〜3目11手、3〜6目1手、6目以上0手

【白:一力天元】
・正確度:約72.1%
・一致率:約71.4%
・最善手一致率:約52.7%
・目数の平均損失:約0.4目/手
・勝率の平均損失:約1.3%/手
・損失目数の分布(91手):0.5目未満73手、0.5〜1.5目12手、1.5〜3目4手、3〜6目2手、6目以上0手

大悪手の回数はどちらもほとんどなく、決定的な「一発のミス」で勝敗が決まったわけではありません。むしろ1〜3目クラスの「やや甘い手」の積み重ねが最終的な地合い差の主因になったことが分かります。

4.総合的なまとめ

AIの視点からこの一局を整理すると、次のようにまとめられます。
 ① 右下辺の黒63 (16,8) では、 (16,6) を逃したことで、黒勝率にして約18%分のチャンスを失った。
 ② 右辺〜中央の黒71・79・81では、局地戦にこだわる実戦手に対し、AIは (6,17)といった「大場への展開」を一貫して推奨しており、ここでの方針の違いが白優勢を決定づけた。
 ③ 終盤の上辺〜中央〜左辺(84〜128手)では、黒が87手 (9,12)、89手 (3,17)、97手 (5,14)、121手 (12,9) など、AIが示す粘りの急所に打てなかった結果、白のリードが安全圏まで広がった。

総じて、この対局は「一手の大事故」で崩れた碁ではなく、要所ごとに候補手から1〜3目ずつ外れていった積み重ねで差がついた一局と言えます。

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AIによる棋譜の解析・評価レポートの作成 ― テスト速報

AI が、囲碁対局の棋譜をどの程度まで解析し、どの程度まで整理・評価してレポートできるかを、囲碁対局解析ソフトと生成系 AI を組み合わせて試してみた。

■ テスト方法

KGSでの実戦対局の棋譜をこの環境で解析し、解析済みの SGF ファイルを得た。

ダウンロード - goodliferoadster_25.11.16.sgf

対局の解析
 使用ソフト:Lizzie Yzy 2.5.3
 エンジン:OpenCL 18B s-913
 GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti
 解析条件:1手あたり 5 秒

生成系 AI への入力
・解析済 SGF ファイル

ダウンロード - goodliferoadster_25.11.16_analyzed_20251116151555.sgf

Goodliferoadster_251116

  ・Hawk Eye のスクリーンショット画像(正確度・一致率・損失目数分布などを表示)

Hawkeye


これら 2 つを ChatGPT 5.1 Thinking にアップロードし、プロンプトでレポート分量(今回は A4 1 ページ程度)を指定して、レポート作成を依頼した。

ChatGPT は、解析済 SGF から各手の評価値・損失目数・最善手を読み取り、
 悪手ランキング
 中盤だけの成績
 座標つきのローカル解説
などを作成する。また Hawk Eye 画像を参考に、全体の正確度や損失分布の「見た目」も踏まえて総評を行う。

なお ChatGPT 5.1 Thinking 自体は囲碁エンジンを持っておらず、外部のエンジンも動かせない。そのため、解析していない生の SGF 棋譜を渡した場合には、形・筋・弱点(アタリ/薄み/連絡など)をパターンとして認識しつつ、「強めのアマが口でやる感想戦」レベルを目指した、人間の感想戦風コメントを返してくる。勝率○%や「○目半良い/悪い」といった精密な数値評価、死活やコウの完全読み切りといったエンジン級の正確さは出てこない。

以下、今回 AI が作成したレポートをそのまま掲載する。
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1. 全局の概要
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ルール:日本ルール、コミ 0.5 目、黒 2 子置き(左下 (4,4)、右上 (16,16) にハンデ石)。開始時点の AI 評価は、黒勝率ほぼ 100%、目差約 +19 目。つまり「ハンデ通りなら黒がかなり有利なスタート」である。

【序盤】
黒はハンデ石を軸に、
 下辺~左辺
 右上~上辺
へバランスよく勢力を広げ、堅実に地をまとめていく。
白は、
 上辺中央?右辺からの打ち込み
 下辺側への進出
で黒の模様を細かく削ろうとするが、AI の目差はずっと黒+15?20 目前後を維持。
大きな失着はなく、「黒がハンデのリードをそのまま持ち越したまま中盤へ」という流れになっている。

【中盤前半】
主戦場は主に、
 右下隅~下辺右側
 そこから中央寄りへの連絡の争い
である。
白は下辺右側に深く踏み込み、黒地を削りつつ攻め合いを狙うが、AI から見るとやや踏み込み過ぎで、形勢を縮めるどころか逆に黒リードを広げている局面がいくつかある。
ここでも黒は多少の緩手はあるものの、危険な石を作らずにリードを保持している。

【中盤後半~終盤】
100 手前後では、下辺中央?左寄りの整地をどう打つかがポイントとなる。
黒は AI 推奨よりやや小さい手を選ぶ場面があり、本来なら +40?50 目差にできたところを、+30 目前後まで少し縮めてしまっている。
それでも形勢としては依然として黒が圧倒的である。
終盤は大きなコウや殺し合いもなく、黒が安全志向で地をまとめて中押し勝ち。
途中で互角近くまで迫るような揺れは一度もない。

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2. 形勢が大きく動いた局面
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ここでは代表的に 2 箇所だけ挙げる。
座標は BLN2 式((x,y)=左から x、下から y)を用いる。

Bln2
参考:BLN2 座標の説明

【(1) 71~75 手前後:下辺右側の攻防】
エリア:右下隅~少し左にかけての下辺右側。

白が下辺二線に深く打ち込み、黒地の中でもがくような展開になる。

実戦では、白 71 手目あたりに (19,2) 付近への踏み込み、続いて (19,3)、(12,3) 近辺などへの継続手があったが、AI から見るといずれも「重くなりすぎている侵入」で、1 手ごとに 10 目前後ずつ黒リードを広げてしまう手と評価されている。

一方、黒も (18,2)、(13,2) 付近の二線の受けを選んだため、本来 AI が推奨する三線の急所(例:P5 や Q5 近辺 = (15,5),(16,5))に比べると、1 手あたり約 10 目ずつリードを縮める緩手になっている局面がある。

全体として、
 白の踏み込み:逆転を狙った勝負手だが自損気味
 黒の応手  :安全ではあるが、もっと厳しく打てばさらに大差にできた
という構図で、結果としては黒のリードがさらに拡大している。

【(2) 100 手前後:下辺中央~やや左寄りの整地】
エリア:下辺中央から左寄り、おおよそ (12,5) 前後を含む地帯。

ここでは、AI は一貫して M5 付近 = (12,5) を「地と厚みを同時に押さえる超特大の急所」として推奨している。

実戦では、黒 98 手目に (17,1)、100 手目に (15,1)、102 手目に (13,6) といった比較的小さい手を選び、本来 M5 (12,5) に一発打っておけば確保できていた利益を、合計で 20 数目ほど取り逃がしている形になっている。

それでもこの時点での地合いはすでに黒大優勢で、形勢そのものは「楽勝が、やや点差が小さい楽勝になった」程度にとどまっている。

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3. 統計結果から見える特徴(Hawk Eye)
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Hawk Eye の統計画面から読み取れる範囲でまとめると、次のようになる。

【正確度(全体)】
黒(goodlife):約 62%
白(Roadster):約 43%

【一致率(AI 最善手と同一手を打った割合)】
黒:およそ 6 割強
白:3~4 割程度

【損失目数の分布(1 手ごと)】
黒は全 88 手のうち、半分近くが「0.5 目未満の誤差」に収まり、大きな損失(6 目以上)はごく少ない。
白は全 89 手のうち、「3 目以上」の損失手が目立ち、12 目以上の大きな損失も複数回出ている。

【時系列の傾向】
時系列で見ると、
序盤から中盤にかけて白の損失が積み重なり、
終盤で黒がやや緩手を打つものの、白の追い上げには至らない、
というパターンになっている。

────────────────────────
4. 総合的なまとめと今後のポイント
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【黒の評価】
この対局は、「ハンデのリードを黒がほぼ崩さずに最後まで維持し、時々の揺れはあるが逆転のない一局」と言える。

【黒の良かった点】
・ハンデ石を生かした模様づくりが安定している。
・大きな乱戦や全滅級の事故がなく、危ない石を作らなかった。
・中盤の勝負どころでも、多少の緩手はあっても「致命傷になる一手」は打っていない。

【黒の改善ポイント(AI 目線)】
・下辺右側のような局面では、二線に付き合う前に三線の急所(P5/Q5 など)を先に押さえる発想を持つと、より効率的な打ち方になる。
・100 手前後のような整地局面では、「すでに勝っているときこそ M5 (12,5) のようなまとめの一手を逃さない」という感覚を養うと勝ち方がさらにきれいになる。

全体として、黒は内容も結果も安定した良い一局であり、AI 解析をヒントに「急所の見え方」と「安全運転と効率のバランス」を少し意識すると、次の対局でさらに精度が上がりそうな内容である。

【白の注意ポイント(AI 目線)】
一方、白は次の点に注意するとよさそうだ。
・中盤での「踏み込みすぎ」に注意する。
・下辺右側での侵入など、逆転を狙った勝負手がいくつか見られたが、AI 評価ではその多くが「重くなり過ぎて自損になっている手」で、1 手ごとに 10 目前後ずつ形勢を悪化させている局面がある。
・すでにハンデで不利な状態なので、無理な突撃よりも「相手の緩手を待ちながら、薄みをついて少しずつ差を詰める」方針を意識した方が、実戦的な勝ち筋が増える。
・三線・四線の大場を軽視しない。
・実戦では二線で粘る手や、局所的な利きを狙う手が多く、AI が示す三線・四線の急所(例:P5・Q5 付近)の価値を十分に活かせていない。「相手地の真下であがく手」よりも、「外側からまとめて効率よく削る手」を候補に入れることで、同じ一手でも収穫が大きくなる。
・大きな損失手を減らす意識を持つ。
・Hawk Eye の統計では、白は 3 目以上の損失手が目立ち、12 目以上の大きな損失も複数回出ている。すべてを完璧にする必要はないが、「これは本当に読み切れているか?」「もっと安全な代案はないか?」と一呼吸おいてから踏み込むだけでも、大損の回数を減らせる。
・序盤は「悪くならないこと」を最優先にする。
・置石局では、序盤から一気に形勢を戻そうとして無理をすると、そのまま差が開いてしまいがちである。
・序盤は「多少地合いで損をしてもよいので、薄い形や大きな弱点を残さない」ことを重視し、中盤以降に相手の緩手や打ち過ぎをとがめる作戦に切り替えると、全体としての安定感が増す。

総じて、白は「攻め急ぎ」と「重さ」が失点の原因になっており、一段階控えめな方針と、三線・四線の急所を重視する感覚を身につけることで、同じ内容の碁でも逆転のチャンスがぐっと増えるはずである。

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碁盤の座標:各種方式の比較と今後の方向

囲碁の盤上の位置を表す座標には、いくつかの表記形式が存在する。たとえば、国際的な座標フォーマットである「英字国際式」では、左下を原点とし、横方向に英字(A~T)、縦方向に数字(1~19)を用いる表記が広く使われている。一方、日本国内では、新聞や雑誌などで、左上を原点とし、横に数字、縦に漢数字を用いる伝統的な「漢数字式」が用いられている。

新聞・雑誌・インターネットの囲碁対局サイト・棋譜AI解析ソフト・棋譜編集ソフトなどで、実際に使用されている座標形式は、おおよそ次のように整理できる。ここでは、複数の座標系を選択可能な「Kiin Editor」(棋譜記録ソフト)とLizzieYZY(AI棋譜解析ソフト)における命名を参考にして記載する。

1. 座標形式の主な使用例

1)漢数字式:原点左上 横:1 2 3 …、縦:一 二 三 …

* 別名:日本式、新聞式

例:新聞囲碁欄(読売新聞)↓

Yomiuri

 2)英字国際式:原点左下 横:A B C …、縦:1 2 3 …

* 別名:KGS式、IGS式

例:KGS(インターネット囲碁対局サイト)↓

Kgs

3)英字式:原点左上 横:A B C …、縦:1 2 3 …

* 別名:野狐式

例:野狐囲碁(ネット対局サイト)↓

Fox

 4)数字式(上から):原点左上 横:1 2 3 …、縦:1 2 3 …

* 別名:TLN2式(後述)

例:LizzieYZY(AI棋譜解析ソフト)↓

Lizzieyzy

5)数字式(下から):原点左下 横:1 2 3 …、縦:1 2 3 …

* 別名:BLN2式(後述)

例:LizzieYZY(AI棋譜解析ソフト)↓

Bln2_lizzieyzy

 6)両英字式:原点左上 横:a b c …、縦:a b c …

* 別名:SGF式

例:SGFファイル(棋譜記録フォーマット)↓

Sgf_axis

 2. ソフトウェアにおける座標選択の例

Kiin Editor(棋譜編集ソフト)では、次の4形式から座標を選択できる。

* なし(座標非表示)
* 漢数字式:原点左上/横:数字、縦:漢数字
* 英字式:原点左上/横:英字、縦:数字
* 英字国際式:原点左下/横:英字、縦:数字

LizzieYZY(AI棋譜解析ソフト)では、次の4方式から選択可能である。

* 英字国際式(デフォルト)
* 英字式(野狐式)
* 数字式(上から)
* 数字式(下から)

なお、雑誌『碁ワールド』(日本棋院)の記事中に掲載される棋譜は、基本的に座標表示なしである。↓

Goworld

 3. 座標形式ごとの読みやすさと直感性

これらの座標表記を用いた実際の棋譜を見比べると、形式ごとに読みやすさや分かりやすさに差があり、盤上の位置を直感的に把握しにくい場面も少なくない。

横・縦ともに数字で表す「数字式」の座標は、一般の科学・技術分野の図表でも広く使われている形式であり、視覚的な整合性が高く、直感的にも理解しやすい。将来、囲碁の座標表示をどこかで統一していくとすれば、各種の座標表記方式の中から、この「数字式」が有力な候補になると考えられる。

 4. 「数字式(上から/下から)」の比較

数字式には、「数字式(上から)」と「数字式(下から)」の2方式がある。
数学の座標平面に対応させて考えると、

* 数字式(上から)は第4象限、
* 数字式(下から)は第1象限

にそれぞれ相当する。

数学や物理のグラフになじみのある人にとっては、第1象限のグラフに相当する「数字式(下から)」のほうが自然に感じられるかもしれない。

しかし一方で、

* パソコン画面などでは「左上原点」の座標系が広く使われていること
* 日本で普及している漢数字式は「左上原点」であり、その縦座標の漢数字をそのまま洋数字に置き換えれば「数字式(上から)」になること

を考えると、実務的には「数字式(上から)」への移行のほうがスムーズだとも考えられる。

 5. TLN2式とBLN2式という名称の提案

数字式の2方式の呼び名として、次の略称を提案したい。

「数字式(上から)」
→ Top Left Origin Numeric 2 Axis
→ 略称:TLN2式

「数字式(下から)」
→ Bottom Left Origin Numeric 2 Axis
→ 略称:BLN2式

TLN2およびBLN2の両方式は、数学的座標系との親和性が高く、人間にも直感的に理解しやすい形式であると考えられる。

TLN2式およびBLN2式では、盤上の位置表記に、数学で一般的な (x, y) 形式を用いる。

 6. TLN2式とBLN2式における代表点の例

19路盤で、いくつか代表的な点を TLN2/BLN2 の両方式で表すと、次のようになる。

| 盤上の位置     | TLN2式 (左上原点) | BLN2式 (左下原点) |
| -----------     | -------------------- | ------------------- |
| 右上隅の星     |         (16, 4)         |        (16, 16)       |
| 左下隅の三々  |         (3, 17)         |         (3, 3)          |
| 天元             |         (10, 10)        |        (10, 10)       |

実際の運用にあたっては、上下左右の4辺すべてに 1~19 の数値を表示しておくと、盤上の位置の把握がさらに容易になると思われる。

7. 追記:碁盤の座標方式の比較表

上で説明した碁盤の各種座標方式について、比較表を下に示す。

2

注記:本稿は2025.11.27に旧稿を全面的に改定しました。

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オンライン囲碁における「ソフト打ち」

オンライン囲碁対局における「ソフト打ち」とは、対局中に相手の手を自分のパソコンの囲碁ソフトに入力し、その解析結果を参考に着手するなど、AIを利用した行為のことを指します。このような行為は、公平な対局環境を脅かすものと考えられます。

最新の囲碁ソフトはAI技術の進歩により、人間を凌駕するレベルに達しており、対局中にこれらのソフトを用いた不正な行為に利用されるケースが出てきています。オンライン囲碁の利用が一般化した一方で、物理的な監視が難しく、このような行為を行いやすい環境が整ってしまっているという問題があります。

Botboy

ソフト打ちも、一局全体で行う場合、序盤/中盤/終盤など部分的に行う場合、局面に応じて行う場合、相手を選んで行うなど、いろいろなパターンがあるようです。

このオンライン囲碁におけるソフト打ちの検知/対策について、現状を考察します。

思考時間の違和感による検知

ソフト打ちを行うプレイヤーは、その手番でソフトへの入力と解析のために一定の時間(秒程度~)を要するので、人間のような盤面の状況に応じた柔軟な思考のテンポから外れます。そのため、通常の人間の思考テンポとは異なる、ソフト打ち特有の手番時間や反応のパターンに不自然さや違和感を感じて、これが検知のヒントとなる場合が多くあります。

対局履歴のモニタリング

対局結果の履歴から短期間での急激な棋力上昇や不自然な勝率の変化などをモニタリングすることで、不正の可能性を把握します。この方法は、一部の対局プラットフォームではすでに使われています。

AIとの一致率の分析

対局者が打った手がAIソフトの推奨手とどの程度(%)一致しているかを分析することで、ソフト打ちを判断する方法で、現状では最も有効な検知方法と考えられます。

一般に棋力とAIソフト推奨値との一致率の平均値は相関関係があり、局ごとの変動幅を考えても棋力に比べて異常に高い一致率が出る場合はソフト打ちの可能性が高いと判断されます。

一局の全体や序盤・中盤・終盤などの部分の一致率の評価も可能で、各種のソフト打ちパターンに対応できると考えられます。この場合、使用するAIソフトによって評価項目や推奨手が変わること、一致する推奨手は上位複数手(例:2位まで)をとるなどの条件に、注意/工夫が必要です。

Zoomなどのビデオ通話の併用

対局中にZoomなどでビデオをONにすることで、プレイヤーの行動を可視化し、不正の抑止につなげる方法です。特に知人同士の対局においては、表情や視線の動きが確認できるだけでも効果があります。ただし、Zoom参加者が大勢になると一人あたりの画面が小さくなり動きが確認し難くなるため、不正の抑止力にならない場合があります。

「幽玄の間」の自己申告制度

日本棋院の「幽玄の間」では、ソフト打ちをしている人に「AI利用者申請」をしてもらい、アカウントに「AIマーク」を付与する制度を導入しました。この制度は実効性よりも姿勢を示したものと考えられます。

過去の実績からソフト打ちをすると判断される相手とのリーグ戦対局は気が重いものですが、この幽玄の間の方法を応用して、こちらから「ソフト打ち」を宣言してソフト同士の対局を提案してみることも対策としてあり得るかと思います。

オンライン囲碁の健全な発展と、公平で信頼性のある競技環境を守るために、「ソフト打ち」対策の徹底と、プレイヤー自身のフェアプレー意識の向上が求められています。

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タイトルを争うトップ棋士間の対局の勝利確率

囲碁の7大タイトル戦は、最近はタイトル保持者である一力遼・井山裕太・芝野虎丸に加えて許家元と余正麒の各棋士間で争われることが多くなっています。

今日(2024.09.02)も、天元戦の挑戦者決定戦の芝野虎丸ー許家元戦が行われており、勝者が一力天元に挑戦することになっています。

そこでこの5人の現在の「レーティング」(データに基づく実力の定量的表示)から、相互に戦った場合の勝利確率を計算してみました。

使用したレーティングは、Go Ratingサイトの2024.09.01現在の「WHR-ELO Go Rating」です。

ELOレーティングの定義から、AのBに対する勝利確率(W)は両者のレーティング(R)から次の式で求まります。(イロレーティング

Winprobeq

この式から、5人による対局の勝利確率は次の表のようになりました。

Winprob

例えば、今日対局している天元戦挑戦者決定戦の勝利確率は、芝野虎丸65.2%、許家元34.8%で、これは3試合戦えば芝野虎丸が2勝するような値となっています。

ただし、このELOレーティングは国際対局を含めた全対局から現時点の実力を求めたもので、「苦手」のような個々の事情は考慮されていません。

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囲碁AIソフトの分析結果の「ホークアイ」表示

サッカーやテニスなどスポーツの審判補助システムとして使用されている「ホークアイ」(Hawk Eye)は、複数の高速度カメラがボールの位置をリアルタイムで捉えて、そのデータを3Dのイメージに変換して審判の判定の補助をします。

囲碁AIソフトのLizzieYZYには、棋譜分析した結果を総括的に表示する「ホークアイ」機能がついています。これはスポーツのホークアイと同様に、棋譜をAI分析した結果から対局者の戦いぶりを鷹の目のように鋭く、鳥瞰的に総合して、定量的に表示するものです。

AI分析結果のホークアイ表示

井山本因坊に一力棋聖が挑戦した2023年7月の本因坊戦の第7局(棋譜ダウンロード )を例にホークアイを説明します。

この一戦のLizzieYZYによるAI分析結果は↓のように示されます。

_

上の左側の図で、横軸は初手から最終手まで、青線が形勢、赤線が目差で、中央より上方は黒有利、下方は白有利です。(形勢は中央が50%で下上0~100%、目差は中央がゼロで上下に任意スケール)

右の盤面は1日目の最後の手(白70)を打ったところ。左の図中の縦の白点線がその位置です。黒71は封じ手で左上隅の星横E-16打たれました。

この対局は、井山本因坊が1勝3敗の劣勢から二盤を勝って3勝3敗のタイに戻した後の最終戦。二連勝の勢いに乗っているように、黒の井山が1日目封じ手時点で勝率94%とリードしていました。ところが、2日目は初めから白の一力が劣勢から優勢へ逆転しました。上の左図で形勢は白の点線を折り目に対称的に変わりました。

これをホークアイで見てみます。↓

Iyamichirikihoninbou7hawkeye

ホークアイの各欄の説明

上左欄: 正確度=打った手がAIの最善手に対してどのくらい正確だったか探索数の比を算出、最高は100%。一致率=AIの候補手との一致率、最高は100%。ここでは一致率として上位2位までの候補手との一致をとっています。

上右欄: 各人が打った手の各手の目差(または勝率)の損失の分布。AIからみると、最善手で減点ゼロなので、その他はマイナスの手になります。

下欄: 横軸が初手から最終手まで。空色の線が黒から見た勝率、赤線が黒から見た目差。上が黒有利、下が白有利。緑色の部分が白の手がAIと一致した時、青色が黒の手がAIと一致した時を示します。

ホークアイは全局を通した評価のほかに、部分的な評価もできます。上の本因坊戦で戦局が大きく動いた1日目の後半と2日目の前半を見てみます。↓

Iyamichirikihoninbou7hawkeye2

1日目後半の49手分と2日目前半の43手分のホークアイを比較すると正確度や一致率などの指標が全く反対になっていることが判ります。鍛え抜いたプロの勝負において一晩でこのように変わるのか? 両者にどのような心境の変化があったのか? などいろいろ想像ができます。

正確度・一致率の平均値は実力を示す指標

一局全体で、打った手をAIの最善手と比較した「正確度」、AI候補手との一致の程度を示す「一致率」の値は、打った手の平均の質(的確さ)を示す指標で、互先ではこれらの値が高い方が勝つケースが多いです。

私は、最近の自分が対局した棋譜は全てLizzieYZYで分析してホークアイを見ています。良く打てた局は正確度・一致率の値が高く出ており、逆に調子の悪かった局はこれらの値が低く出ています。

私は、米国に本拠がある対局サイトのKGSで常時打っており、そこのランクは1D(2Dや1Kに上下することも偶にある、Dは段、Kは級の意味)、碁会所では六段程度の実力です。最近の一局を通した一致率の値は、平均すると50%前後、調子の良いときは50%後半、調子の悪いときは40%台前半から30%台も偶にあります。正確度は一致率より数%~10%程度高く出るのが普通です。

正確度・一致率の数値について私レベルのアマとプロと比較するのは盤面の複雑度が格段に違うのであまり意味がないと思いますが、プロの対局を分析した場合の一致率の値は平均的に60%台、トッププロは70%台になる場合が多く、80%台に達することも稀にあります。

リーグ戦仲間など私と同レベルの人との対局を分析した正確度・一致率の平均値は、囲碁の実力を示す一つの指標と考えることができると思っています。

ホークアイで実力の経年変化を推測する

私は、2000年代からiGoCCやKGSでネット碁を打っており、その対局の棋譜(sgfファイル)を保存しており現在400局以上になっています。そこで、これらの棋譜をサンプリングしてホークアイの正確度・一致率を調べて私の囲碁の実力の経年変化を調べてみることにしました。

400局の中から約5年間隔で各10局(勝負各5局)をランダム抽出してホークアイで正確度と一致率を調べました。その結果は ↓、

Changebyage

上の図から、2005年から2023年に至る10数年の間に実力の変化は認められない、という結論に達しました。KGSでのここ15年間くらい平均ランク1Dで打っていることからも、実力の経年変化は無いと言えると思っています。

熱心に勉強して対局している割には強くなっていませんが、高齢になっている割には弱くなっていないのはAIソフトによる棋譜分析の効果と思っています。

[参考] LizzieYZY日本語版に関する情報

Lizzieyzy日本語バージョン(リリース)

LizzieYZY日本語版ダウンロードサイト

 

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囲碁AIソフトの目差計算に基づくて手合割表-- 期待目差Δに基づく手合割 --

グループで囲碁を楽しむ場合、実力の違う2人が対局しても「だいたい互角」に勝負できるよう、置石やコミで調整します。これが手合割です。

本稿では、囲碁AI(LizzieYZY Version: 2.4.8、エンジン: KataGo v1.11.0、ウェイト:kata1-b40c256)が示す「期待目差(期待スコア差)Δ」を物差しとして、置石数nとコミkから手合割表を導く方法を説明し、其々特長を有する幾つかの手合割表を示します。

1. 期待目差Δとは何か

KataGo/Lizzieは局面評価として「黒の期待目差(黒+)」Δを表示します。互角ならΔ≈0、黒有利ならΔ>0、白有利ならΔ<0です。

勝率ではなく「何目くらい有利か」という連続量として扱える点が、手合設計の物差しとして都合が良いところです。

2. 置石・コミ・Δの関係

置石1子~9子について、初手前(白がこれから最善手を打つ前)のΔをLizzieで測定し、コミ条件(6.5目・0.5目・0目・-6.5目)を変えたデータを整理しました。

コミは本来「終局時に黒白の地の差を調整する量」なので、理想的にはコミkの違いはΔを縦方向に平行移動させるだけ(コミ1目でΔが1変化)になります。

【図1】置石数nと期待目差Δ(AIデータ)

Full_consistency_diagram_en_v3_realdata

3. 近似式(Δの一次モデル)

AIデータは実用上、置石数nとコミkに対して一次式で近似できます。

  Δ ≈ 13n − 7 + (0.5 − k) (1)

   Δ:黒有利の期待目差(目)
   n:置石数(1~)
   k:コミ(黒から出す値。黒コミ出し=正、逆コミ=負)

この式は、
・置石を1子増やすとΔが約13増える(置石1子≒13目)
・コミを1目増やすとΔが約1減る(コミは縦方向の平行移動)
を1本で表現しています。

また、(1)式は「互先・コミ6目半でΔ≈0」という基準(同格同士ならほぼ互角)と整合します。

4. なぜ「13分割」になるのか

(1)式により、置石1子ぶんの効果は13目。一方コミは1目刻みで調整でき、コミ1目でΔが1変化します。

したがって、置石1子分(13目)をコミ1目刻みで“13段階”に分割できます。

点数制で「1段=13点」という細分を採る根拠が、AIの物差し(Δ)で説明できます。

5. 手合割表の導出(Δ→(n,k)の逆変換)

手合割を「持ち点差dに応じて、置石数nとコミkを決める規則」として扱います。

ここでは持ち点差dを「Δの尺度」とみなし、dが大きいほど黒が有利なハンディになるように、(1)から (n,k) を選びます。

6. 手合割表(3種類)

  A) コミ1目刻み:最も細かい(持ち点差1点ごとにコミが動く)
  B) コミ2段(6目半/半目):KGSなどでも運用が簡明で、手合変更のジャンプもほどほど
  C) 2子以上はコミ半目固定:運用が簡単、ただし手合変更のジャンプ が大きくなる

【表A】コミ1目刻み(k=6.5…-5.5)

Slide1_20260218203601

【表B】コミ2段(各13点帯を「6点+7点」に分割)

Slide2_20260218203701

【表C】互先を除いてコミ半目固定

Slide3_20260218203701

7. ベースライン整合図(d→手合逆引き図)による比較

A・B・Cの3種類の手合割表について、ベースライン整合図(d→手合逆引き図)を作成しました。
この図は、点数差 dから手合(置石 nとコミ k)を決める各案を、期待目差 Δに基づく理想的な関係と比較して示したものです。青=理想ベースライン、橙=手合割表

手合割表A(手合割表Aは理想ベースラインと一致)

A_baseline_swapped_axes

手合割表B

B_fa5d1ca8bb8a43abb78ab8bb4291ceec

手合割表C

C_baseline_swapped_with_c_overlay_data_f

手合割表B1について

手合割表Bは、コミが6目半と半目の2種類を使用した各置石コミ2段の手合割表なので、各置石でコミ半目のみのコミ1段の手合割表Cより理想ベースラインとの木目細な整合ができます。しかし、全体的に理想ベースラインを下回った手合になっています。

これを修正するには、1子の範囲をd=0~9と3つ減らした手合割表B1を作成すれば可能になります。手合割表B1では、d=0~9を互先5・定先5としています。

B1

B1_02a26983a3b8405baec553d17d5df253

8.新しい手合割表 2B1 の提案

これまで、AI による検討結果をもとに、いくつかの手合割表を提案し、理論式から求めた理想的なベースラインとの整合性を図によって比較してきました。

各置石についてコミを2種類に限定する方式では、これまで主としてコミを 6.5目0.5目 に固定して検討してきました。しかし、この制約を外すことにより、新たな展開が可能になります。新しい手合割表 2B1 は、その一つです。

2b1

2B1 の特徴は、コミとして 3.5目 および -3.5目(逆コミ) という、これまであまり用いられてこなかった値を採用している点にあります。このコミを用いた 2B1 は、理想値を示すベースラインと良好に整合しています。

Baseline-a_with_2b1_overlay

従来の手合割表 B 系列、すなわち 「6.5目 と 0.5目 を用いる各置石コミ2個方式」 は、これまで一般に使われてきたコミを採用しているため、デフォルト設定から選択できる場合があるなど、親しみやすさと利便性があります。

しかし、6.5目0.5目 のコミでは、全体としてベースラインとの整合点が各手合の幅の中心から外れやすくなります。これを中心に近づけようとすると、手合割表 B1 のように、表全体を横にずらす必要が生じます。その結果、置石1子の幅を本来の 13d から 10d に縮小せざるを得なくなり、「置石1子は約13dに相当する」 という基本関係から外れることになります。さらに、互先や定先の d の幅も縮小されます。

これに対して 2B1 では、コミとして 3.5目-3.5目 を採用することにより、各置石コミ2個 という条件のもとで、ベースラインからのずれや境界付近の不自然さを小さく抑えることができます。

さらに、2B1 では、互先の領域を従来と同様のd幅6に保つことができます。囲碁では、互先や定先には独自の対局感覚と魅力があり、この幅を確保することは、囲碁の醍醐味を保つうえで重要と考えられます。

以上を総合すると、「各置石コミ2個」 という条件のもとでは、2B1 は最有力の手合割表として推奨できると考えられます。「コミ 3.5目、-3.5目」 という新しい設定の採用に挑戦できるグループにおいて、今後その活用が進むことを期待したいと思います

置石・コミ・期待目差Δの関係が(1)で表せるなら、手合割と持ち点は同一の尺度(Δ)に基づく一体のシステムとして整合的に運用できます。どの表を採用するかは、グループが「細かさ」と「運用の簡単さ」のどちらを重視するかで決めれば十分です。

付記:手合割に必要な推移的整合性

手合割の設定において重要な性質の一つに、「推移的整合性」があります。

推移的整合性とは、任意の3者 A・B・C について、各者の間の手合差が
     ΔBC=ΔAC−ΔAB
を満たすこととして定義されます。

言い換えると、実力差が一本の数直線上の「距離」として表されており、A-B の差と B-C の差から、A-C の差が矛盾なく定まるという性質です。

ベースラインに手合割表を重ねた図において、各手合割点が一本の直線上に並ぶ場合、その手合割表は推移的整合性を満たしていると考えることができます。

この検討の枠組みでは、持ち点差 𝑑 = 0 に対応する基準手合は 1子コミ6目(勝敗を決めるための実際の表示では6.5目)です。

推移的整合性が成立している手合割表では、この基準点を含む一本の直線上に、各手合割点が配置されることになります。

本稿の基となった検討報告「期待目差Δに基づく囲碁手合割表の設計」は、ここからダウンロード - horiteai.pdfできます。英文レポート"Design of Go Handicap Tables Based on Expected Score Difference Δ"はここからダウンロード - horihandicap.pdfできます。

注)本稿は26年2月18日に全面改訂をしました。旧稿はこの下に置いてあります。

囲碁AIソフトの目差計算に基づくて手合割表

グループで囲碁を楽しむ場合、囲碁の実力を格付け(レーティング)する段級位や点数(持ち点)によって置石やコミを用いて実力差を調整する方法「手合割」が用いられます。

点数制は段級位より細かく実力を数値化しているので、対局する2者に実力差があっても同じ確率で勝てるように点数差に応じて置石数やコミ数などのハンディキャプを適切に決める「手合割」ができます。

これまでこのブログでは点数製の手合割について下記の記事で説明をしてきました。

囲碁の点数制の手合割方法--どのような手合割表が良いか?

囲碁の点数制の手合割方法『コミ出し方式


これらの手合割方法の続編として、囲碁AIソフトの計算結果に基づいた手合割表を作成しましたので、以下説明をします。なお、計算方法については、この記事の下の別項目で説明しています。また、筆者の手合割に関する基本的な考え方は既記載の上の記事で述べています。

今回は、囲碁AIソフトを使用して0~9子までの置石数とコミ(コミ6目半、半目、0目、逆コミ6目半)の状態の初手を打つ前の「目差」を調べました。囲碁AIソフトは、その対局を両者が最善手により最終局面まで打った時点の白黒の地の目数の差、すなわち「目差」を常時計算しており、KataGoでは最初の段階から目差を表示しています。この計算の方法・条件・結果などについては、下の方の「手合割の計算方法と考え方」の項を参照ください。

AIソフトによる互先から9子までの計算結果から下の3つの手合割表を作成しました。これらA/B/Cの手合割表の選択は、囲碁クループのお好みになります。

A.各点数差・手合割表

各置石でコミは「6目半」~「半目」~「逆コミ半目」~「逆コミ5目半」と各点数差ごとに設定

Teai_a

「各点数差・手合割表」のPDFファイルのダウンロード - teaiwaria.pdf

B.各段2分割・手合割表

各置石でコミは「6目半」と「半目」、点数差を2つに分けて設定

Teai_b

「各段2分割・手合割表」のPDFファイルのダウンロード - teaiwarib.pdf

C.各段一括・手合割表

各置石でコミは「半目」のみ、1段13点の点数差を一つにまとめて設定

Teai_cr

「各段一括・手合割表」のPDFファイルのダウンロード - teaiwaricr.pdf

付録:手合割の計算方法と考え方

① 日本棋院の棋譜再生・編集ソフトの「Kiin Editor」を用いて、置石2子~9子、コミが6.5目・半目・0目・逆コミ6.5目のsgfファイルを作成して、これを囲碁AIソフトのLizzieYZY(Version 2.4.8、エンジンはKataGo v1.11.0、ウェイトはkata1-b40c256)で開いて、初手を打つ前の時点の目差を調べます。置石1子の場合は最初からLizzieYZYを用いました。

0~9子までの計算結果ダウンロード - calculationresults.pdfを置石数(コミ6.5目とコミ0.5目)と目差の関係で整理したのが下の図です。逆コミ6.5目の結果は図に示していませんが、置石数の少ない範囲では置石の一つ多い場合のコミ6.5目に近い値を示していました。

Okiishi_mokusa_240415

上の図に示される置石数・コミ・目差の関係は次の式で近似できます。

 近似式:
   Δ ≈ 13n − 7 + (0.5 − k)
   Δ: 黒有利の目数
   n: 置石の数
   k: コミ

② 上の図の目差が対局する両者の持ち点の差に相当するとして、点数差と置石・コミの関係から手合割表を作成しました。

③ この時、手合割をどの程度こまかく設定するかによって、各種の手合割表ができますが、常用のコミなどを勘案して次の3種の表を作成しました。

A.コミを各置石で「6目半」~「半目」、「逆コミ半目」~「逆コミ6目半」と点数差ごとに設定
B.コミを各置石で「6目半」と「半目」の2つとして、6点または7点の点数差をまとめて設定
C.コミを各置石で「半目」の一つとして、~13点の点数差をまとめて設定

④ 囲碁AIソフトの計算結果は、置石数と勝率・目差の関係ですが、目差=持ち点差としてハンディキャップの置石・コミの設定をした時にグループ構成員の持ち点差の範囲(例えば、77点=初段から7段までの6段差)で[持ち点 vs. 置石・コミ]が直線(比例)関係*にあるので、この方式は小さい実力差から大きい実力差の対局まで妥当なハンディキャプを与えると考えています。。
(* 1点差の対局でも77点差の対局でも持ち点差による置石・コミが妥当な値を示すこと)

⑤ この計算結果では置石による目差の変化は置石が6子程度までは1子13目差となっているので、従来から1段13点の換算が多く使用されてきたこととも整合しています。

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