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2026年1月

堀・囲碁五訓 -- 「ポカ」を減らすための実戦メモ --

囲碁の負け方には、大きく二種類ある。読んで負ける(実力負け)と、読まないで負ける(自滅)である。私の場合、ときどき後者――いわゆる「ポカ」が出る。

負けた碁を後で見返すと、「当然読めるところを読んでいない」「気づくべき点に気づいていない」ことがある。これは棋力というより、“思考エンジンが掛かっていない瞬間”の問題だ。

そこで自分用にまとめたのが、「囲碁五訓」である。これは技術論というより、対局中の“頭の使い方”の訓示だ。

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堀・囲碁五訓

  1. 序盤は大局的に
  2. 中終盤は整理して考える
  3. 形勢は「時々」確認する
  4. 危機は冷静沈着で
  5. チャンスは準備してから打つ
    (追記・赤字)打つ前一呼吸、読み筋再確認

以下、この5訓を簡単に解説してみる。解説動画

1.序盤は大局的に

序盤は、局所の読みより「方向」と「効率」。ここで小さな読み合いに没入すると、相手の厚みを育て、こちらが薄くなる。序盤に必要なのは、「勝ちに行く」より「負けない形」を作るほうが結果的に強い。小得より全局の厚みを優先できるようになりたい。

2.中終盤は整理して考える

中盤以降は情報が一気に増える。ここで起きるのが、よく言う「認知負荷オーバー」だ。
読もうとしているのに、頭の中の“開いているタブ”が多すぎて処理が追いつかない状態である。

この訓のポイントは「整理して」だ。整理とは、要するに(A)弱い石を特定→(B)守る/逃げる/捨てるを決める、の順に思考を直列化すること。感覚で全部やろうとすると崩れる。順番を決めて“一本道”にできれば崩れにくい。

3.形勢は「時々」確認する

形勢の雰囲気は常に感じているが、目数で点検する習慣はまだ弱い。形勢は「時々」確認するのがよい。

私の場合、チェックのタイミングは次の3つに絞っている。

・部分戦が一段落した時

・大きな交換の直後

・「勝ってそう/負けてそう」と感じた時(←この感情が出た時ほど危険)

形勢判断は、エンジンの回転数を上げる道具ではなく、走り方を修正する標識だと思う。

4.危機は冷静沈着で

危機の時に崩れないためのコツは「勇ましく戦う」ではなく、この場面での損を減らし、次の反撃も視野に入れて考えること。慌ててマイナスの手の連続になることを避けて、損得勘定をして損を値切るように冷静沈着に打てたら良いと思う。

5.チャンスは準備してから打つ

チャンスに見える局面こそ、頭がふわっとする。「ここだ!」という時に、読む前に手が出る。これは、もう一つの失敗モード -- 低覚醒(オートパイロット)。=「何となく自然」に見える手が、そのまま出てしまう状態だ。

チャンスは、準備ができて初めてチャンスになる。準備とは、簡単に言えば「反撃されたときの出口」を持つこと。出口がない攻めは攻めではなく、突撃である。

追記:打つ前一呼吸、読み筋再確認

この一文は、特に死活の取り逃し/守り間違いが印象に残ったため、5訓の下に赤字で追加した。

私のポカには「気づいてはいるが、真剣な思考に入っていない」ケースがある。さらに厄介なのが、少し前に読んで「解決済み」と思い込んでいるパターンだ。だが囲碁は一手で条件が変わる。“さっきの結論”は、今の盤では平気で無効になる。

だから、打つ前に一呼吸。そして自分に一言だけ問う:「読み筋、再確認したか?」 この“一呼吸”は、前の読みの惰性を切って、現在の盤面で再起動するためのスイッチだ 。

実戦での運用: 紙と独り言と一服

ネット碁の利点は、独り言が自由なことだ。私は今、短い言葉のリストを印刷して目に入る場所に置いている。ポイントは、毎手やることではない。1局に23回でも「戻って来られる」ことが目的だ。

  • 迷ったら:「弱い石はどれ?」
  • 有利だと思ったら:「ここから守り」
  • 死活や大きな折衝が出たら:「一呼吸、再確認」

さらに、重要局面で頭が回らなくなったら、あえて“次へ移る”より、一服(お茶を一口、姿勢を正す、深呼吸)のほうが効くことがある。これは逃げではなく、思考を回復させるための手順である。

おわりに:勝負は、下駄を履くまで分からない

最近の一局でも、こちらの放心の2手で大崩れしたが、最後に相手の放心が出て逆転した。これが現実だ。だからこそ、私が目指すのは“妙手”ではなく、「崩れない碁」である。この5訓は、そのためのスイッチであり、手摺だ。私はこの5訓を壁に貼っている。

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Ted Nordhouseの視点「トランプの原子力エネルギー支持は気候の勝利だ」

米国の環境思想家・政策論者のTed Nordhousが、ワシントン・ポスト(26.01.12)に「視点:トランプの原子力エネルギー支持は気候の勝利だ」というオピニオンを掲載しています。なお、Ted Nordhausは原子力や技術革新を重視する立場で、Breakthrough Instituteの共同創設者です。

以下、1月19日に一般向けに公開された記事から内容を紹介します。
 "Viewpoint: Trump’s support for nuclear energy is a win for the climate"
 https://geneticliteracyproject.org/2026/01/19/viewpoint-trumps-support-for-nuclear-energy-is-a-win-for-the-climate

Nordhauscover

この記事で著者は、環境問題に対して懐疑的なトランプ大統領が、原子力エネルギーの商業化と規制改革で気候変動対応にとって重要な進展を生みつつあると評価しています。主な論点は次の通りです:

  1. トランプ政権は気候変動を疑問視し、温室効果ガス規制やパリ協定撤退など環境団体の反発を招いたが、同時に新型原子炉の実用化への強力な推進を行っている

  2. 米国原子力規制委員会(NRC)の抜本的改革と、経験豊富な原子力専門家の任命により、先進的原子炉の迅速な認証・導入が進められている

  3. エネルギー省や国防総省が小型炉(SMR)の実証プロジェクトや配置計画に取り組み、州・民間市場にも大きな影響を与えている

  4. 先進原子力企業への投資が加速しており、株価上昇や投資熱が原子力産業への期待を示している

  5. 失敗の可能性は依然としてあるが、原子力が安価で拡張可能な低炭素電源として化石燃料依存の低減に寄与する可能性があると主張している。

記事全文のAI翻訳
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視点:トランプの原子力エネルギー支持は気候の勝利だ

テッド・ノードハウス(ワシントン・ポスト)/2026年1月19日掲載(転載)

パンデミック対応が多くの人に最低限の評価しか受けず、ひどい否認的対応とみなされた大統領が、コロナワクチン開発を主導した事実をドナルド・トランプは自ら語ろうとはしません。公衆衛生界では、今の政権の反ワクチン姿勢に多くの専門家が戦慄しており、当初トランプの野心的なワクチン開発スケジュールに懐疑的だった人も少なくありませんでした。

現在の第2次トランプ政権1年目においても、気候変動に対して同じようなダイナミクスが起きつつあるかもしれません。トランプはかつて気候変動を「中国の作り話」と表現し、米国をパリ協定から離脱させ、気候研究資金を大幅に削減し、温室効果ガス規制を撤廃するなど、環境派と民主党の強い反発を招いてきました。

しかし一方で、アイゼンハワー政権の「平和のための原子」イニシアティブ以来の、最も野心的な新型原子力技術の商業化への取り組みを開始しています。これは、小型で柔軟性のある原子炉を開発し、増大する電力需要(特にAIデータセンターの急増によるもの)に対応するためです。

トランプを愛するにしろ嫌うにしろ、新型原子力技術を迅速に実証・認証・商品化しようとする政権の決意は前例のないものです。原子力規制委員会(NRC)の抜本的改革を命じる大統領令が進行中であり、懸念されたような政治的な人事ではなく、どちらも核工学の専門家で規制経験のあるノー・ニエとダグラス・ウィーバーという、超有能な委員が上下院の超党派で承認されました。

年初にはNRCが規制コードの改訂を公表する見込みです。エネルギー省は今年、アイダホ国立研究所で複数の小型試験炉の審査、承認、実証を進めています。国防総省は基地への小型炉導入契約プログラムを開始しました。これに伴いエネルギー省は放射線健康基準を改編し、**疫学的な証拠が十分でない極微量の放射線を重大な健康リスクとみなす前提を見直し、実用的な曝露閾値を設定しています。**この基準はNRCや環境保護庁の基準改訂のテンプレートになる可能性があります。

連邦政策の急速な転換は州や民間市場にも影響を与えています。共和・民主両党の知事たちが新型原子炉の導入を競い、公益事業や州規制当局は長期電力計画に原子力を組み込み、設置場所やNRC認可準備を急いでいます。

民間部門では先進原子力市場が活況を呈し、カリフォルニア拠点のOklo社などが、許認可や実機建設以前に**初の原子力億万長者を生んでいます。**株式市場でも上場企業の株価が大きく上昇しています。これが単なるブームかバブルかは別として、原子力技術への熱狂は新しい革新的技術の必要性を示しています。

近年、「気候のムーンショット(大胆な挑戦)」が必要だという議論が多くありましたが、**トランプ政権の米国原子力産業再活性化の取り組みは、ムーンショットに最も近いものです。**そしてこれは気候変動に懐疑的で環境への関心が薄い大統領の下で起きています。

もちろん、ワープスピード作戦と同様に成功が保証されているわけではありません。成功しても気候変動問題が解決するわけではありません。しかし、安価で拡張可能な原子力エネルギーが化石燃料依存を減らし、クリーン電力を提供し、世界的排出量の深い削減に重要な役割を果たす可能性はあります。

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注釈:上の記事中の「ワープスピード作戦」(Operation WarpSpeed)とは、2020年にトランプ政権下で実施された、COVID-19ワクチンを前例のない速度で実用化した国家プロジェクトを指す。研究開発・承認・製造を並列で進め、政府がリスクを肩代わりすることで、通常10年以上かかるプロセスを1年未満に短縮した。本記事では、この手法になぞらえて、先進原子力の実証・認可・商業化を国家的優先事項として加速する動きを示している。

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EV普及の代償 -- 「重量化」がもたらす見えないコスト

EV普及の裏側に潜む「カサンドラの警鐘」

2026年1月11日の日本経済新聞に「カサンドラの絶景:EV普及で道路に傷み、発電所建設で減る食料生産」という刺激的な記事が掲載されました 。この記事が引用している米ニューヨーク大学の研究によれば、EVトラックの増加による重量増が、都市インフラに深刻なダメージを与えることが予測されています 特にニューヨーク市では、EVトラックの普及により、2050年までに道路や橋の修理費が9〜12%も増加するという試算が出ています

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本稿では、私が以前から指摘していた「EV重量化の問題」の本質を「バッテリーによる重量増」「安全性への影響」「社会コストの内部化」の視点から整理・解説します。

なお、本記事の内容を解説した動画をつくりましたので、合わせて御覧ください。

以下の内容は、本ブログの「電気自動車は重い! バッテリーはバラスト!? 」「電気自動車の大容量電池搭載による重量は安全を損なうのか? 自動車重量と衝突時死亡率の関係 」の記事に詳しい解説があります。

「重いバラスト」を運ぶEVの不都合な真実

EVがインフラを傷める最大の要因は、航続距離を確保するために搭載される膨大な重量のバッテリーにあります

  • 圧倒的な重量差: 同格のエンジン車(ICEV)と比較して、EVは驚くほど重くなっています。例えば日産リーフは、同格のガソリン車より328〜547kgも重く、これは乗員6〜8.5人分に相当します。大型のピックアップトラックでは、その差は700kgを超えます

  • 「バラスト」化するバッテリー: 米国の統計では、1日に200km以上走る日は年間のわずか4%に過ぎません 。つまり、大半の走行において、高価で重いバッテリーの大部分は単なる「バラスト(重し)」として運ばれているのが現実です 。この「無駄な重み」が、日々道路や橋梁に過度な負荷を与え続けているのです。

インフラ損傷に留まらない「安全性」への脅威

重量増は単なるコストの問題ではありません。交通事故における「他者の生存権」に関わる深刻なリスクを孕んでいます

  • 衝突時の死亡率上昇: 物理学の法則通り、衝突側の車両が重いほど、相手車両の死亡リスクは高まります。米国の研究では、車両重量が約454kg増えるだけで相手の死亡リスクは1.5倍に、約907kg増えれば2.2倍に跳ね上がることが示されています

  • 交通弱者へのリスク: 近年、米国で交通事故死者が増加している一因には、大型SUVやピックアップトラックの普及があります 。これらの車両がEV化でさらに重量を増し、かつモーター特有の鋭い加速性能を持つことは、歩行者や自転車にとって極めて危険な状況を作り出しています

「外部コスト」をどう是正すべきか:政策的視点

道路の損傷や事故被害は、市場価格に含まれない「外部コスト」として社会全体が負担しています 。この歪みを正す時期に来ています。

  • 重量課税の必要性: 重量増による社会的な外部コストは、炭素排出によるコストを上回るという指摘もあります。車両重量に応じた課税や通行料の設定によって、このコストを所有者が負担する「内部化」の議論が不可欠です

  • 現実的な選択肢としてのPHEV: 全てを巨大なバッテリーを積んだ純電気自動車(BEV)に置き換えるのではなく、バッテリー重量を抑えたプラグインハイブリッド車(PHEV)を賢く活用することが、インフラ保護と安全性の両立において現実的な解となるでしょう

結論:多角的な政策介入が急務

EV化による環境負荷低減という大義の影で、「車両の巨大化・重量化」という新たな社会問題が顕在化しています
私たちは、バッテリー技術の革新を待つだけでなく、車両重量に対する規制や、用途に合わせた適切なバッテリーサイズの選択を促す課税制度など、多角的なアプローチを検討すべき段階にあります。

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