「電気自動車の効率改善を評価する」 -- EPRI・NRDCのレポート
「電気自動車の効率改善を評価する」と題する報告書が2024年4月にEPRI(Electric Power Research Institute:米国電力研究所)とNRDC(Natural Resources Defense Council:自然資源保護協議会)から発表されています。
“Valuing Improvements in Electric Vehicle Efficiency”
https://www.epri.com/research/products/000000003002030215
このレポートでは、2050年の電気自動車は、技術的改善などによりエネルギー効率を現在より約2倍に向上でき、電力消費をその分削減できると述べています。
エグゼクティブサマリーの概要部分の日本語訳は以下の通りです:
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今日、内燃機関車から電気自動車への急速な移行は、脱炭素化への重要な道筋を提供しますが、自動車産業の再編成、電力グリッドの急速な拡充と更新、新たな安定した鉱物供給チェーンの構築が必要です。この論文では、NRDCとEPRIが、電動化に追加的かつ補完的な将来の車両効率改善が、インフラとエネルギー需要を軽減し、消費者コストを削減する上で果たす基本的な役割を探求しています。
電動化自体は主なエネルギー節約やその他の利点をもたらしますが、ここで検討されている追加的でしばしば見過ごされがちな改善は、車両に電力を供給するために必要な電力量を削減することにより、将来の大きな負荷を軽減することが予測されます。本研究では、主要な自動車技術の進歩を特徴付け、消費者、電力および充電インフラプロバイダー、自動車メーカーの視点からその潜在的な影響を検証しています。効率化と軽量化の手法により、今後30年間で1マイルあたりのエネルギー消費量を効果的に半減させることができます。
これらの手法が車両コストを上げることなく達成される場合、2050年までに走行したオンロード交通に対する消費者のエネルギーコストの節約額は年間2000億ドル以上に達すると、この研究は予測しています。これには、電気モビリティへの移行をサポートするために必要な物理的なグリッドと充電器の増強への投資が削減されることも含まれます。
さらなる研究が提案されており、提案された車両効率戦略のコストをより詳細に調査し、より少ないバッテリー材料でより多くの走行距離を得ることによるサプライチェーンの利益を推定し、より効率的な車両が消費者、自動車メーカー、送電網にどのように貢献できるか、さらに広範な評価を行う必要があります。
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このレポートで想定している技術改善点とそれによる改善の値は下の表に示されています。これらの項目と数値は、2022年1月に発表されたMercedes BenzのEQXXコンセプト車のパワートレイン効率、空力抵抗係数、タイヤ回転抵抗、バッテリーおよび車両重量低減などの各種改善の効果を参考にしています。
これら自動車のエネルギー効率の向上効果を入れた米国の消費端の2050年の電力消費量は下の図のようになっています。
図において左側のピンク色と空色のバーは運輸部門以外の建造物と産業の消費の2020年と2050年の消費量を示しています。ここでは、電力化率の上昇分は効率改善で相殺されています。
図の右側の緑色のバー4本が2050年の運輸部門の電力消費量で、左から現在技術、改良技術(Improved)、先端技術(Advanced)、先端技術+軽量化の各シナリオを想定したケースで、濃い緑色が中量車/重量車(MDV/HDV)、薄い緑色が軽量車(LDV)による値を示しています。
上のケースのほか、米国における車の走行距離(Vehicle-miles traveled; VMT)が都市設計/交通政策などにより想定より低くなった場合の電力消費量も評価しています。
筆者追記: これらのエネルギー効率の向上の予測は電気自動車(BEV)に限らずプラグインハイブリッド車(PHEV)にも同様に適用できると考えています。
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