« プラグインハイブリッド車:目的地への距離による電池SOCの計画制御(追記1) | トップページ | EV走行距離の適正値など プラグインハイブリッド車の今後の方向を探る – 背景・関連トピックス -- »

勤務先充電の重要性と米DOE・EDTAのチャレンジ

勤務先充電のメリット

Workplacecharging自動車で通勤している人は、都会では少数派だが地方では多い。米国の自動車利用の統計では、下の表のように平均として勤務先に駐車している時間割合は家の次に多い。(左の図の出所Chargingtpo

それ故、プラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(BEV)などのプラグイン自動車(PEV)の利用において、勤務先に充電設備があれば次のようなメリットがある。

Ufforvariouschargingoccasion(1) プラグインハイブリッド車を利用して通勤している人にとっては、家での充電に加えて目的地でも充電ができれば、充電電力での走行(EV走行)の割合が増加し(左図)、車のEVレンジが通勤の片道の距離より大きい場合はEV走行のみで済ますことも可能となる。

(2) 電気自動車を利用して通勤している人にとっては、家での充電に加えて目的地でも充電ができれば、例えその車の電池航続距離が往復距離以上の場合でも、渋滞や寄り道などの際の「航続距離不安」(Range Anxiety)を軽減することが出来る。

(3) 勤務先での駐車時間(勤務時間の数時間)の内に充電ができれば、上に述べたプラグイン自動車利用者に対するメリットのほかに、今まで充電設備がない集合住宅住まいの人でも、家で充電する代わりに勤務先で充電するサイクルにすることにより、プラグイン自動車を利用する可能性が出てくる。この場合は休日などの走行を考えると電気自動車よりプラグインハイブリッド車の方が適している。

米国の「勤務先充電チャレンジ」

米国では以前から勤務先充電(Workplace Charging)の重要性が認識されUCLAなどがその効果について研究していた。

130131dcautoshow106e13597458235762013年1月のワシントン自動車ショーの機会に、DOEのChu長官と全米電動自動車協会(EDTA)のWynne会長が共同で「勤務先充電チャレンジ」を発表(DOEEDTA)し、企業側が勤務先充電の数を今後5年間に10倍にする目標を示した。発表では、このチャレンジに加わるGoogle、Siemens、GE、3Mや自動車メーカーのGM、Ford、Chrysler、日産、Teslaなど13企業の名前が挙げられている。130131dcautoshowevpartners(写真の出所

米国政府はこれに先立って2012年3月にオバマ大統領が「どこでもEV大挑戦」(EV Everywhere Grand Challenge)を打ち上げ、2012年8月に米国エネルギー省(DOE)が「10年以内にガソリン車なみに入手可能なプラグイン自動車を世界に先駆けて米国で生産する」というチャレンジ目標を達成する3つのシナリオを含む構想をパブコメしていた。

上記2013年1月のワシントン自動車ショーでの共同発表に合わせて、DOEは「勤務先充電チャレンジ」(Workplace Charging Challenge)を組み込んだ「どこでもEV青写真」(EV Everywhere Blueprint)を発表している。

勤務先充電設備の要件

Googleworkplacecharging「勤務先充電」の充実は自動車電動化推進に最も効果がある方策の一つである。日本におけるこれからの勤務先充電設備の設置に際しては、その定着・継続のために経済性・公平性・将来性などに留意して充電設備は次の要件を満たしていることが望ましいと考えている。(右の写真はCALSTART & Google "Workplace Charging Workshop"の資料から)

 ① 200V普通充電で30A・6kWの容量にする(注1参照)
 ② 充電電力量、充電時間、充電回数などに応じた適切な課金をする
 ③ 充電集中による電力ピーク・電力契約料金増などを抑えるために、輪番制やデマンドレスポンスなどの適切な充電制御をする
 ④ プラグイン自動車利用者の増加に従って設備を増設する
 ⑤ 将来のV2B~V2Gなど自動車電力の系統利用の可能性を検討して設計する

注1: 現在の日本のプラグイン自動車の普通充電は200V・15A・3kWまでだが、米国ではSAE J1772 Level 2で220V・30A・6.6kWのプラグイン自動車が販売されており(日産のリーフも米国では2013年型から6.6kWを標準またはオプションで装備)、市販の充電設備(EVSE)もLevel 2は30A・6.6kW容量になっている。3kWから6kW充電にすることにより充電時間が半分になることはユーザーにとって利便性が大きく、また将来のV2B~V2Gなどの容量型の系統サービスにおける効果も大きい。

|

« プラグインハイブリッド車:目的地への距離による電池SOCの計画制御(追記1) | トップページ | EV走行距離の適正値など プラグインハイブリッド車の今後の方向を探る – 背景・関連トピックス -- »

自動車」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/6611/56696227

この記事へのトラックバック一覧です: 勤務先充電の重要性と米DOE・EDTAのチャレンジ:

« プラグインハイブリッド車:目的地への距離による電池SOCの計画制御(追記1) | トップページ | EV走行距離の適正値など プラグインハイブリッド車の今後の方向を探る – 背景・関連トピックス -- »