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2012年2月

囲碁の友人へのメール 「ここまで強くなった囲碁対局ロボット」

前略

Kgslogo私は、サイバー囲碁クラブで対局をしていない時は、時々KGSという世界中から集まっている囲碁対局サイトで打っています。ここは、登録している人数が95,000アカウント、常時1,000人から2,000人が打っている大きな囲碁クラブです。

私は、日本の町の碁会所では五段ですが、KGSでは成績によりランクがつけられ1d(初段)の上の方を上下しており、平均的には1.8d(1.8段)程度です。

Zen_2昨晩(2012年2月8日)、ここで高段者の対局を観戦していてビックリしました。KGSで5dの人(私が3子を置く程度の碁会所で八段クラスの人)が「Zen19D」という名前のプレイヤーと互先で対局していました。ギャラリーのチャットで判ったのですが、このZen19Dが最近評判になっている実力5dの「モンテカルロ法」(参考:)を使った日本製対局ロボット(ボット)だったのです。そしてKGS五段の猛者がこのボットにメロメロにやられて投了したのです。
<-- 映画『禅ZEN』のポスター、「ZEN」のイメージ?

Zen19dja_jp_2KGSにおけるZen19Dのランク(右図)を見ると、成績が右肩上がりでまだまだ成長しているように見えます。

今日、インターネットでZen19Dの棋譜を探して見ました。このサイトに、Zen19Dの今月の棋譜が沢山出ています。この幾つかの棋譜を再現して見ましたが、意味不明の手を打ったりすることもあり、何故Zen19Dがそんなに強いのか良く判りません。

KGSで4d~5dの人とZen19Dとの対戦棋譜(sgf型式のファイル)をご覧になって、強さの秘密が判ったら教えてください。sgf棋譜を見るには碁盤ソフトをインストールする下記の方法が簡単です。(別の方法は、追記1参照)
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KGSのサイトにアクセスして、「クライアントのダウンロード」をクリックして、次に出てくるページで「CGoban 3 のダウンロード」をクリックします。そして「CGoban3」というソフトをインストールすると、sgf形式の棋譜ファイルをダブルクリックするだけで、碁盤が出てきて棋譜が再生されます。
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Goplayingbotzen先日は将棋の米長永世棋聖が将棋ソフトのボンクラーズに敗れましたが、囲碁の方でもこのようなアマチュア高段クラスのボットが出てきました。機会があったら一度Zen19Dと打ってみたいと思いますが、3子は置かなければならないと思います。

早々
(2012.02.09)

碁の友人からのコメント:

1,Y.S.さん(私が2子置いている七段)のコメント

Zenは昨年末の週刊碁で報じられていましたが、UEC杯コンピュータ大会で世界各国のソフトを抑えて優勝し、鄭九段との6子局にも勝利しています。Zen19Dはさらに進んでいるのかもしれません。

将棋はすでにトッププロと対等以上にまで進みましたが、囲碁も近いうちにプロ並みになるのではないかと思います。しかし、コンピュータソフトの碁は人間の碁とは違った道を進むような気がします。ソフトの碁はあくまで勝つための数学的処理であり、したがって詰碁や攻め合い、終盤の計算などは人間はかなわないと思います。

我々の碁は手談というように碁による会話であり、それを楽しむところがあります。もっとも人間のほうがコンピュータの手の意味を理解できるようになればもっと強くなるのかもしれません。とりとめのないことを書きました。機会をみてZenの棋譜を並べてみたいと思います。

2,T.S.さん(私が5子置いているアマチュア・トップクラス)のコメント

囲碁ソフトも意外に強くなっているのですね。驚きました。私なりにソフトの強さを考えてみました。

1)死活を間違えない。
 手どころに強いというか、変な狙いを持っているようで、気をつけないと石が取られてしまうことがあるようです。他はともかく、死活が絡むと、きちんと打つのが、いやらしいですね。

2)中央に石が向かう。
 変なところで手抜きをしたりしますが、その時に打つ手が大体中央です。中盤以前に一線に打つ手はほとんど0点の手ですが、中央に打つ手は、妙に見えても意外に悪手にはなりにくく、60-70点くらいにはなりますので、みかけほど悪くはないのでしょう。(天頂の囲碁も、中央に向かう傾向があるそうです)

あと、ツケに手抜きとか、人間の感覚ではかなり悪手っぽい手が出ますがこれも意外に悪手ではないのでしょう。例えば、星に有る所に3三に入れば人間だったら普通どちらかを押えます。CPUがここで手抜きをして、次にもう一手打てると、かなり得をしたような気がしますが、もともと3三に打ってあるところにCPUが後から星に来たと思えば、互角以上にはならないという見方もできます。先着の効の問題はありますが、足早に打たれているとも言えます。ちょっと、呉先生の感覚に似ていますかね。

私は実際にCPUと打ったことはないので良く分かりませんが、あまりやっていると感覚が狂いそうですね。

私の感想:

ボットの棋譜を見ると、数目でも優勢な碁の終盤では必要以上の安全策をとっていると思いました。例えば、自陣の死んでいる相手の石を打ち上げたり、自陣に必要ない手入れをしたり、プロが見たら棋譜を汚したと嫌うような手を打っていました。これは勝を確認したら安全運転に徹するようにプログラムしてあるのかと思います。私は、勝っている碁を終盤で欲張って逆転されることがあるので、この点は勉強になりました。

また、T.S.さんが言うように、足速で1箇所の決着がつく前に手を抜いて、もっと大きいところを先手で打って、また戻ってくるなど、序盤から優先度を合理的に計算している様なところがあります。この辺を見習ったら、当方の腕も上がるかなと思いますが、序盤や中盤ではそこまで判断ができません。
(2012.02.17)

追記1: 碁盤ソフトをインストールせずに棋譜を見る方法

ダウンロードした棋譜ファイルを右クリックして、「プログラムから開く」で「Notepad」を選択し、「Ctrl-A」で棋譜の文字全部を選択し、右クリックで「コピー」し、これをサイバー囲碁クラブの部屋作成-->検討用-->部屋作成で出てきた碁盤の「SGF読み込み」をクリックして貼り付けます。この方法は、サイバー囲碁クラブの入り口のページの「FAQ(よくある質問)」に説明があります。

この方法では、同じ部屋の皆で一つの碁盤を囲んで変化図を作ったりして検討することができます。普通はチャット(筆談)で意見交換をしますが、スカイプを持っている同士は本当の会話をしながらガヤガヤと検討ができるので楽しいです。
(2012.2.11)

追記2: コンピュータ囲碁に関するニュース・情報

◎ コンピュータ囲碁に関する新しいニュース、データベース、関連ページへのリンクなどが出ているサイト
 1,コンピュータ囲碁フォーラム
 2,Computer Go Information

◎ コンピューター囲碁のWiki
 1,ウィキ
 2,Wiki(英文)

◎ CEDEC2011(コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2011)のサイトの中にも、コンピューター囲碁(AI囲碁)関係の情報が出ています。。
1,「プロ棋士と囲碁AI研究者に0x10個の質問をしてみた」
 王 唯任 (囲碁棋士 五段)、万波 佳奈 (囲碁棋士 四段)、村松 正和 (電気通信大学 教授)、真鍋 和子 (電気通信大学 村松研究室 修士二年)へのインタビューの中でコンピューター囲碁の話をしています。
2,囲碁AI講座
 下記の方々の説明資料と動画がおいてあります。
  「モンテカルロ碁」下川和也
  「囲碁AIのデータ構造」 眞鍋和子
  「コンピュータ囲碁の終局」 島田潤
(2012.2.12)

追記3: KGSサイトに出ているZen19Dのユーザーインフォーメーション

Zen19dnotes_2このノートを見ると、5-6dの強さは「Blitz」と呼ばれている1手10秒で考慮時間15秒9回の早碁の場合で、持ち時間20分+30秒5回の場合は4d-5dのようです。(2012.2.17)

追記4: KGSサイトに登録してある他のZenやその他のボット

KGSのサイトには「Zen19S」(2011年5月登録)というボットもいます。「S」はSlowの意味で「D」とはTime settingが異なるとのこと。私が見た対局では、持ち時間20分+秒読み30秒x5回で打っていました。ユーザー情報の記載によると、強さは「早碁が5d、長い碁で4d」とあり、Zen19D(2010年11月登録)よりも0.5dほど低い5.5dくらいの成績を示しています。Zen19Sの棋譜はここにあります。ほかに、「Zen19」(2009年3月登録、5d)、「Zen」(2007年11月登録、2d)もいて、時々対局をしています。

KGSサーバーに登録されているこの他のコンピューター囲碁プログラム(ボット)については、「囲碁・KGSの思考エンジンと棋譜」と題するサイトに、各ボットの説明とKGSでの対局履歴・棋譜データベースへのリンクがあります。(2012.3.7)

KGSサイトの対局者は、KGSのレーティングシステムによるRating(実力の段級位)が常に評価されている。KGSで対局している各コンピューター囲碁プログラムについての2007年以降の段級位の変遷が「KGSBotRatings」としてここにまとめられている。2007年頃の2kから2012年の6dまで実力向上の経緯がよく判る。ここには、そのほか各ボットのハードウエア、持ち時間などの情報も出ている。(2012.3.25)

追記5: コンピューター碁を1局打ってみませんか? 5路盤から19路盤まで手軽に打てるサイトがあります

「COSMI」というサイトでは、各種のコンピューター碁が相手をしてくれます。盤は5,6,7,8,9,11,13,15,19と各路盤があります。このサイトの作者の「オンライン囲碁ゲーム COSUMI」開発日誌はここ
(2012.3.7)

追記6: 9路盤は「接待碁」コンテストの時代?

コンピューター囲碁は、9路盤では強さがプロに近づいているので、これからは人間を楽しませる「接待碁」コンテストの時代に入ったのでしょうか? 以下、「JAISTカップ2012ゲームアルゴリズム大会@品川」より

「9路盤では,囲碁プログラムの「強さ」はすでにプロに肉薄しています. また,「自然さ」についても,人間と見分けがつかないレベルにあることが 去年のJAIST杯チューリングテスト大会より明らかになりました. 次は,「人間を楽しませてくれるか」「強くなるよう導いてくれるか」が大事になってくるだろうという思いから, 今年は手抜きではない手加減,起伏に富んだ展開への誘導,楽しいコメントなど,プレイヤを「接待」する工夫を競います. 初級~中級者のプレイヤ(評価者)としての参加も大募集中です.」
(2012.3.6)

追記7: 13路盤はアマ強豪と互先で好勝負

「13路盤アルゴリズム大会」(2012年3月5日開催、結果と棋譜はここ)の1位と2位のプログラムが、そのご褒美として翌3月6日「囲碁13路盤エキシビション AI vs アマ強豪」に出場し、東大囲碁部主将経験者の二人のアマチュア強豪にハンデなしで挑戦をしました。KGSサーバーで行われたこの対局は、同じく東大囲碁部主将経験者の光永淳造プロ六段の解説でニコニコ生放送で実況中継されました。

私は午前から昼過ぎまでニコニコ生放送に釘付けで見ていました。

最初の対局は、「13路盤アルゴリズム大会」2位の「pachi2」と野口基樹さん(KGS7d)の対決で、これは野口さんが危なげ無く中押しで勝ちました。次の対局は、大会優勝の「Zen19S」と細谷卓さん(KGS7d)の13路盤対決で、これは中押しでZen19Sの勝でした。最後に見せ場がありすごく面白かったです。この碁の棋譜抜粋と経過説明が「碁席秀策情報ブログ」に出ています。

解説をした光永プロの説明は的確で大変勉強になりました。勝ったZen19Sはコンピューター碁の中では群を抜いているようで、光永プロが解説したとおりに打つ場面が多く、そのタイミングの良さもあって感心しました。

なお、後で知ったのですが、Zenと石田芳夫九段との13路盤対局が「コンピューターの異名をとる石田先生とのドリームマッチ!」と題して、2月25日に同じニコニコ生放送でありました。この碁の棋譜と感想が「三村智保囲碁blog」に出ています。この対局は石田九段の中押し勝ちでした。

このニコニコ生放送のサイトには、『最強の囲碁プログラム「Zen」(天頂の囲碁)』とあり、下の方に「天頂の囲碁」ソフトを販売しているアマゾンへのリンクがあります。
(2012.3.6)

追記8: Zenボットが武宮九段に挑戦

12年3月17日にコンピュータ囲碁の「Zen」が武宮正樹九段と5子で対局するそうです。2局目は一番手直り、面白そうです。前座の大橋拓文五段との9路盤・互先の対局も注目です。解説は、王銘エン九段、矢代久美子五段。ニコニコ生放送での放映も予定されています。(2012.2.29)

Takemiyazen_2今日午後、武宮九段とコンピューター囲碁プログラム「Zen」の対局があり、ニコニコ生放送で実況中継がありました。最初の5子局はZenの11目勝、一盤手直りの次の4子局はZenの20目勝で、コンピューターの2連勝でした。解説の王銘エン九段の評では、Zenの実力は全国大会クラスと言ってました。なお、使用されたプログラムは最近KGSで打っている「Zen19S」と同じバージョン、ハードウエアとのこと。

この結果は、NHKのニュースで「囲碁ソフトがトッププロの棋士に勝利」と報道していました。ここに映像とテキストが出ています。

会場に行っていた方のレポート(Zen vs 人間 その1~その6)はここに出ています。

Takemiyazen3_2棋譜は次のサイトで見ることができます。
 ◎ 午前の大橋拓文五段vs.Zenの9路盤の2局と午後の武宮正樹九段vs.Zenの19路盤の1局目5子局はここ
 ◎ 午後の武宮九段vs.Zenの2局目4子局はここ。この対局の持ち時間は30分でそれ以降は秒読み60秒。
(2012.3.17)

このほか、Go Game Guruのサイトでも、武宮九段vs.Zenの2局について感想(英語)と棋譜を見ることができます。

なお、上記の4局を題材にニコニコ生放送では3月19日に大橋拓文五段らによる「囲碁プロ棋士と人工知能による自戦解説会」を放送しました。私はこの放送をタイムシフトでその晩見ました。大橋五段との9路盤2局、武宮九段との19路盤2局について、Zenがポイントの局面で計算していた勝利の確率や、もし別の手を打ったらどう応じたかなどコンピューターを操作しながら説明がありました。将来はプロがコンピューターを使って碁の研究をするなど有り得そうですね。(2012.3.22)

なお、このコンピューターソフト「Zen」はチーム「DeepZen」のプログラマー尾島陽児(Yamato)さんと加藤英樹さん(テレビ対局でZenに代わって打っている人)によって開発されたもの。尾島さんは2009年スペインで開催された「第14回コンピューターオリンピアード」の囲碁19路盤部門で優勝した「Zen」の制作者で、この思考エンジンを搭載したWindows向け囲碁ソフト「天頂の囲碁」は2009年に発売されています。

今回の対局に使用されたハードウエアは5台のPC(dual 6-core Xeon X5680/4.2GHzと6-core Xeon W3680/4GHzを各1台と4-core i7 920/3.5GHzを2台と4-core Core2Quad?/3GHzを1台)をGbE LANで連結したもので、KGS囲碁サーバーでZen19SやZen19Dの対局に使用されているものと同じとのこと。(2010.3.23)
Zenweeklyigo1Zenweeklyigo2Zenweeklyigo3
日本棋院発行の「週刊碁」2012年4月23日号は、「驚異の電脳」の大見出しで「Zen、武宮に4子で勝利」など3ページにわたって、コンピューター対局ソフトの特集をしています。(2012.4.21)

追記9: 「コンピューターゲームの父」が国際囲碁シンポジウムでキーノート

今年(2012年)の28th US Go Congress(米国囲碁コングレス)はノースカロライナ州のBlack Mountainで8月4日から12日までの9日間開催される。このCongressに合わせて8月4日~5日に第1回国際囲碁シンポジウム(International Go Symposium)が開催されることになった。

このシンポジウムでは、古代からの戦略ゲームである囲碁について文化的・教育的・芸術的・歴史的・文学的・科学的な観点から討論するそうで、現在発表者を募集中。

このシンポジウムのキーノート・スピーカーに「コンピューターゲームの父」と呼ばれているNolan Bushnellノーラン・ブッシュネル)が決まった。彼はコンピューターゲーム「Pong」の制作者で、「Atari」社を創業した実業家。碁は'favorite game of all time'と言っており、社名の「Atari」は囲碁用語の「アタリ」から取ったそうである。

コンピューター囲碁がこのシンポジウムの主題ではないが、囲碁対局ボットの進歩が話題になっている時に、このノーラン・ブッシュネルのキーノートはタイムリー。
(2012.3.25)

追記10: 「コンピュータ囲碁がプロ棋士に挑戦」 ― 九路盤ガチンコ対決 ― 第2弾

9路盤はコンピューターがプロと対等に戦えるレベルになってきています。12年3月のZenとプロの対決は、1勝1敗でした。その第2弾が12年11月に開催されることになりました。

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「コンピュータ囲碁がプロ棋士に挑戦」
― 九路盤ガチンコ対決 ― 第2弾

 2012年3月にコンピュータプログラム「Zen」と武宮正樹九段が5子と4子の置碁
で対戦し「Zen」が2連勝を果たし大きな話題となりました。
 11月25日にコンピュータプログラム「Zen」と蘇耀国八段、大橋拓文五段、一
力遼二段の3名が九路盤(互先)で対戦します。
 3月には「Zen」と大橋五段が九路盤で対戦し、互先で1勝1敗の成績でした。
 進化を続けるコンピュータプログラムがどこまでプロに迫れるのか注目のイベ
ントです。
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この日のニコニコ生放送を私は見ませんでしたが、結果はプロ3人が各2局を打って全勝、6-0でプロの圧勝でした。これについては、大橋五段のブログに感想がでています。

棋譜はここ、朝日新聞の記事はここに出ています。

詳しい状況解説は、「囲碁を遊びつくすブログ」に前編後編に分かれて出ています。(この記事は後日削除になりました)

その他のコメントは下記。
 perfectclouds 「コンピュータ対プロ棋士の9路盤対決 第2弾
 蘇耀国八段 「コウを仕掛けるぞ、とみせかける場所を2つ作るとZenは間違えやすい

なお、12年6月に日本棋院と電気通信大学の間で「コンピュータ囲碁と囲碁界の発展に関する覚書」が
交わされて、日本棋院公認のプロ棋士とコンピュータ囲碁の公式定期戦「電聖戦」が開催されることになったようです。第1回の電聖戦は、13年3月20日に24世本因坊秀芳とUEC杯優勝および準優勝のプログラムと各1局の対局が行われる予定と発表されています。
(2012.11.29)

追記11: 囲碁ソフトのアルゴリズム「モンテカルロ法」の解説と市販ソフト3種の紹介

最近の囲碁ソフトの主流のアルゴリズム「モンテカルロ法」についての要領の良い解説と、市販されている囲碁ソフトの「天頂の囲碁」、「銀星囲碁」、「最強の囲碁」の特長について解説している下記の動画(21分)と解説は大変参考になります。

 「オススメ囲碁ソフト|天頂の囲碁vs銀星囲碁vs最強の囲碁」
  動画: http://www.youtube.com/watch?v=bdiWFjNSRWg
  解説: http://www.computer-igo.com/

作者の佐々木健太氏は自己紹介によると、高校3年から囲碁を始め現在棋力アマ4~5段程度で、コンピューター囲碁は大学で3年間研究した人だそうで、具体的で判り易いと思いました。

囲碁ソフトの「天頂の囲碁」、「銀星囲碁」、「最強の囲碁」のどれが一番強いかは興味のあるところですが、「どれも凄く強い」、「5段以上でないと細かい違いを体験できないくらい強さは向上している」、「差はあったとして1子~2子以内」としてランク付けはしていませんが、ソフトの特長が紹介されているので買う時の判断材料になります。
(2013.03.21)

追記12: プロ棋士vs.囲碁ソフトの「電聖戦」は4子で1勝1敗

日本棋院公認のプロ棋士とコンピュータ囲碁の公式定期戦「電聖戦」の第1回が2013年3月20日に24世本因坊秀芳・石田芳夫九段とUEC杯優勝および準優勝のプログラムとの間で各1局の対局が行われた。(上の追記10参照)

週刊碁2013年4月1日号の見出し
Goweekly1304011sGoweekly1304012sGoweekly13040118s

電聖戦に先立ってコンピューター囲碁の最強を決める第6回UEC杯コンピュータ囲碁大会が3月16日・17日に世界の22プログラムが参加して開催され、フランスの開発者による「Crazy Stone」(この市販版が「最強の囲碁」)が日本の開発者による「Zen」(この市販版が「天頂の囲碁」)を破り、4大会ぶり3度目の優勝をした。この囲碁大会の2日間の対局成績や棋譜はここに出ている。

このコンピュター囲碁ソフトの準優勝の「Zen」および優勝の「Crazy Stone」とプロ棋士の石田芳夫九段との第1回電聖戦(4子局)は東京の電気通信大学で行われ、Zenは中押敗、Crazy Stoneは3目勝で今回の対決は1勝1敗の成績だった。このようにトップクラスの囲碁ソフトはプロと4子で戦えるアマチュア高段者の実力を持つまで進歩していると感じた。なお、この電聖戦は今年を含めて5回行われる予定。

第1回電聖戦の概要と棋譜・関連情報へのリンクはここに掲載されている。対局の実況・解説の録画はここ
(2013.03.21)

追記13: 高尾九段の感想

高尾紳路九段のオフィシャルブログ「たかお日記」に石田芳夫九段 対 「Crazy Stone」戦の問題の場面の解説や囲碁ソフトの実力などの感想が出ています。
(2013.04.12)

追記14: コンピューター囲碁ソフト同士の対戦

「ごめんなさいでした」の「散歩ときどき囲碁」では、市販の囲碁ソフト同士をいろいろな条件で戦わせたり、その思考過程を考察したりしています。
(2013.04.12)

追記15: 囲碁自動対局ツール「AutoGo」

コンピューター囲碁同士を人手を使わず自動で対戦させるソフト「AutoGo」がダウンロード可能です。このソフトの説明には「AutoGoは、Windows用の囲碁ソフト同士を自動で対局させるためのツールです。二つの囲碁ソフトを起動し、その盤面の変化を調べて着手のマウス入力を代行することによって自動で対局させることができます」とあります。
(2013.04.12)

追記16: 最強の囲碁 ~Crazy Stone~のサーバー対局が面白そう

iPhone、iPad向けの対局ソフト「最強の囲碁」のサーバー対局がパワーアップして面白くなったようです。
iTunes App Storeで、アプリ¥450・サーバー対局チケット30日間¥250など手軽に楽しめそうです。
茂木健一郎さんの連続ツィート「囲碁の知性は、一般化するのか」に、これにハマって楽しんでいる様子が出ています。
(2013.05.12)

追記17: 「最強の囲碁~Crazy Stone~」アンドロイド版を使ってみて

Screenshot_1_2iPadなどiOS用の「最強の囲碁~Crazy Stone~」にはタブレットのCPUを使用する「通常対局」のほかにサーバーとインターネット経由で通信しながらそのCPUを使用する「サーバー対局」があります。サーバー対局は平均的碁会所の六段の棋力があり、茂木健一郎さん(追記16)がハマって楽しんでいるのもこれです。

2013年8月から「最強の囲碁~Crazy Stone~」のアンドロイド版アプリでもサーバー対局ができるようになりました。私はNexus7というタブレットを使用していましたので早速Google playからダウンロードしました。

アンドロイド版「最強の囲碁」は700円なので同じアンバランス社が販売している「最強の囲碁~Crazy Stone~優勝記念版」のWindows OS向けのソフト(定価10,800円、アマゾンなどで実勢価格9,500円程度)と比較して買い易い価格です。

購入して先ず通常対局をしてみました。コンピューター(コンピューター側の呼び名が「COM」、対するこちら人間側が「あなた」と表示される)の強さは10段階の最強のレベル10にして手番選択は「にぎり」で打ってみました。

通常対局は6局打って4勝2敗でした。最初の4局は勝ったので一寸油断したり雑になった次の2局は敗けてしまいました。平均的碁会所の棋力で三段はあるようです。

次にサーバー対局をしてみました。サーバー対局には利用登録(月額250円、自動更新、1ヶ月単位でキャンセル可)が必要ですがアプリから簡単にできました。

Csatnexus7s_2サーバー対局もCOMは最強のレベル10で「にぎり」でやっています。最初の対局は慎重に打ったためか当方が優勢でCOMが投了し中押し勝でした。(左下のスクリーンショットがこの局面です) ところがその後5局ほど打ったが全然勝てません。これまでの対局結果は1勝5敗ですが、2子以上強い人と打っている感じで歯が立ちません。サーバー対局のCOMの棋力は平均的碁会所の六段以上あるのではと思います。

これではCOMの強さレベルを下げるか、こちらが置石をするかなどしないと勝負になりませんが、相手がこちらより確実に強いので教わることにしました。こちらの手番で「ヒント」のボタンを押すと、こちらの次の手を教えてくれます。1手1手先生に教わっている気分で、こちらの手の時にCOMならばどう打つか聞きながら打ってみました。

その結果は形勢が互角のまま終盤に進むようになりました。数局打ってみて気の付いたことは、COMは特に序盤での形勢判断が当方より優れていること、もし石が接触した時は当方の薄みを突いて厳しく打って優位に立とうとすることです。また、当方の欠点は序盤で薄く打って不利な状況になる打ち方にあると気が付きました。

Screenshot_3もし「ヒント」で教えてくれる次の手が気に入らなければ何度でも「ヒント」のボタンを押して次の手を聞くことができます。この時は異なる手を示す場合が2回に1回ほどあります。「待った」のボタンを押して途中の任意の段階まで戻した後「ヒント」を参考に打ちなおしてみると、「ヒント」で示す手に問題がある場合もありCOMの限界を知ることができました。

また、終盤近くで形勢に大差がある場合、負けている時は挽回のために乱暴な手を打ち、勝っている時は安全策的な手を打ちますので、このような場合はヒントが教える手は参考にならないと思います。

通常対局の強さは使用しているタブレットのCPU能力によって制限されますが、サーバー対局の強さはインターネットで接続する先のCPUの能力次第で、CPU性能を高めるとソフト本来の強さを発揮できるようになると思います。

Screenshot_4「最強の囲碁」のベースになったソフトは2013年3月に石田芳夫九段に4子で勝ったCrazy Stoneで、Crazy Stoneは国際的な囲碁対局サイトのKGSで2010年4月~2013年3月の間に3156勝1395敗の成績で2013年3月は「5d」のランクでした。これは平均的碁会所の棋力にすると八段くらいに相当します。「八段」がこのソフトの本来の強さとするとサーバー対局のCOMはサーバーCPUの能力アップで現在よりさらに強くなる可能性がありそうです。

なお、棋譜は途中で中断した時も終局後でも保存することができます。後でこの棋譜を読みだして対局再開や検討をすることができます。棋譜はメールで送信できますので、私はデスクパソコンへ送って使い慣れた検討用ソフトで検討しています。送られた棋譜は黒番からみた棋譜になっていますので、当方が白番の時は180度回転しており見難い時はソフトで棋譜を回転する必要があります。

まだこのアプリを使い出して1ヶ月弱ですので、以上は取り敢えずの感想です。
(2013.09.08)

追記18: 銀星囲碁14を購入

Ginseiigo14box2013年12月にバージョンアップして発売された「世界最強銀星囲碁14」を購入した。

私がこの囲碁ソフトをインストールしたパソコンは、2012年8月に購入したNEC製の「Express5800/S70タイプSR」というエントリーサーバーでOSはWindows7 Professional 64bitを入れている。

このパソコンのCPUはPentium Dual-Core G6950で、最新のパソコンについているIntel Core i7などのCPUに較べるとベンチマークスコアは1/4程度だが、対局してみると筆者(碁会所で五段、KGSで1d~2d)より2子程度強い感じで宣伝文句の「至極の六段」はあると思っている。

コンピューターとの対局のほか詰碁・練習問題など盛りだくさんの機能で当分は楽しめそう。もう少し使い込んでから感想を書こうと思っている。
(2014.1.13)

追記19: 第7回UEC杯はZenがCrazy Stoneを破って優勝

Crazystonezen第7回UEC杯コンピュータ囲碁大会は、電気通信大学・エンターテイメントと認知科学研究ステーションの主催で、2014年3月15日と16日東京都調布市の電気通信大学で開催された。ルールは、日本ルール、19路盤、持ち時間30分。

大会結果は次の通り。

優 勝:Zen (Team Deep Zen) <2年ぶり2度目の優勝>
準優勝:Crazy Stone (Remi Coulom)
第3位:Aya (山下宏)
第4位:HiraBot (福本清)

大会結果・棋譜は1日目2日目

この大会のニュース記事と上の写真はここ

なお、ZenとCrazy Stoneは3月21日開催の「第2回電聖戦」で依田紀基九段と対戦することになった。(次項・追記20参照)
(2014.05.17)

追記20: 第2回電聖戦は依田九段が4子置かせて1勝1敗

Yozazen2第2回電聖戦は、電気通信大学・エンターテイメントと認知科学研究ステーションの主催で、2014年3月21日東京都調布市の電気通信大学で開催された。

ルールは、19路盤、持ち時間30分で、コンピューターソフトが4子を置く4子局。

対戦結果は次の通り。

●依田紀基九段 vs. ◎Crazy Stone (Remi Coulom) 4子 CrazyStoneの2目半勝ち 棋譜
◎依田紀基九段 vs. ●Zen(Team Deep Zen)4子 依田紀基九段の中押し勝ち 棋譜

なお、依田九段のブログ「ヨダログ」の「1勝1敗でした」と題する2014年3月28日の日記は、コンピューターとの対局の感想や後日談などもあり興味深い。

上の写真はWired誌記事(追記21)から。
(2014.05.17)

追記21: Wired誌が「碁のミステリー、コンピューターがまだ勝てない古来のゲーム」と紹介

Forbesigo2米国のWired誌が2014年5月12日、「碁のミステリー、コンピューターがまだ勝てない古来のゲーム」と題して、囲碁の説明や2014年のコンピュータ囲碁大会「UEC杯」とプロ棋士とコンピューター囲碁ソフトの対抗戦「電聖戦」の様子を詳しくレポートしている。

"The Mystery of Go, the Ancient Game That Computers Still Can't Win" Wired 2014.05.12 (英文)

初期のコンピュータ囲碁ソフトから現在の「Crazy Stone」や「Zen」に至るコンピューター囲碁ソフトの発展の経緯や、Crazy StoneとZenの依田九段との対局の様子などを紹介している。

囲碁は世界の「決定論的完全情報ゲーム*」の中でコンピューターが人間に対抗できない唯一のものと説明するなど、囲碁に馴染みの少ない米国人向きの記事で、関心のある読者から多くのコメントが寄せられている。(* Deterministic perfect information game、どちらのプレーヤーにも情報は隠されておらずサイコロなどの偶然が組み込まれていないゲームのこと、二人零和有限確定完全情報ゲーム)
(2014.05.17)

追記22: コンピューターvs.人間対戦一覧、第3回電聖戦

Humancomputerchallengeコンピューター囲碁に関する英文サイトの「computer-go.info」の「Human-Computer challenges」のページに、人間とコンピューターソフトの7x7から19x19路盤の対局結果が一覧表で纏められている。

一番古い1986年頃は対戦データのみが示されているが、1997年以降の対局は棋譜(SGF)へのリンクがついている。

Chocs3rddenseisen右の表には、2015年3月17日開催の第3回電聖戦()の趙治勲二十五世本因坊 対 「DolBaram」(4子局)および「Crazy Stone」(3子局)の結果まで掲載されている。

因みに、第3回電聖戦については、Himazinesサイトの「【第3回電聖戦・趙治勲vsコンピュータ囲碁解説】DolBaram戦とCrazyStone戦の結末は如何に!? 」の記事が楽しい。

写真は産経ニュースの記事「囲碁ソフトの進歩は頭打ち!?」から。
(2015.05.01)

追記23:フェイスブックのAIチーム開発の囲碁対局ボット

Wiredfacebookigobot1.Wiredサイトは昨日2015年11月3日の記事で「フェイスブックのAI(人工知能)が未だコンピューターが勝てないゲーム(碁)に狙いを定めた」の題で、フェイスブックが囲碁対局ボット(ソフト)を開発していることを報じている。

2.フェイスブックはAI研究チームが創った囲碁ボットの棋譜(動画)を掲載。このボットは数ヶ月の開発で既存のボットや非常に強い人間と同程度になった。在来型の探索ベースアプローチと独自のパターンマッチングシステムを組み合わせてここまで来たと説明。

3.フェイスブックの別のサイトでは、「見て理解することをマシンに教える:AI研究の進歩」と題して、フェイスブックのAI研究チームが行っている囲碁対局ボットやその他の非常に意欲的な研究を紹介している。

4.国際的インターネット囲碁クラブのKGSのサイトで今日現在(2015年11月4日)打っている、DarkforestとDarkfores1の2つの登録名がこのフェイスブック開発の囲碁対局ボットらしい。まだ主に級位レベルを相手に打っており、ランクも付いていないので実力は不明。

5.グーグルのコンピューター碁フォーラムでこのフェイスブックのボットの話題が議論されており、「最強の囲碁」を開発したレミ・クーロンが強い人に動画を見た印象はどうかと聞いて、Ajaが「ゲームをチェックした。かなり強いようだ。 GNU Goを楽に粉砕」とレスしている。
(2015.11.04)

6.このフェイスブックの新ボット(darkforestとdarkfores1)の現在(2015年11月10日)までの勝率は下記のように非常に高い。この2つボットには未だランクがついてなく、対局はすべてランク昇降に関係ない「F」(フリー)で打っており、対戦相手は級位者から低段者まで幅広いがその勝敗記録から安定した強さとは言えず、また棋譜から見ると終局認識に問題があるなど未完成の部分がある。このことは、今後の改良によって安定した高段ボットに成長する可能性があると言える。
  darkforest (2015年9月1日より)  1462勝 304敗 勝率83%
  darkfores1  (2015年11月2日より)  437勝  74敗 勝率86%
(2015.11.10)

7.KGSにおけるフェイスブックのボットは増えてdarkforest(2015.9.1~2015.12.25)、darkfores1(2015.11.2~2016.12.21)、darkfores2(2015.11.25~2015.12.23)、darkfores3(2015.12.9~2015.12.24)の4ボットになり、これらのKGSにおける人間との対戦成績は次のとおり優れたものである。

darkforest 公式対局1215勝654敗 勝率65% 最終ランク1d
(ハンディなしの自由対局を含む全対局の成績 3706勝 1263敗 勝率75%)

darkfores1 公式対局1309勝495敗 勝率73% 最終ランク2d
(ハンディなしの自由対局を含む全対局の成績 3174勝 744敗 勝率81%)

darkfores2 公式対局1299勝447敗 勝率74% 最終ランク3d
(ハンディなしの自由対局を含む全対局の成績の成績 1659勝 537敗 勝率76%)

darkfores3 公式対局604勝226敗 勝率73% 最終ランク3d
(ハンディなしの自由対局を含む全対局の成績の成績 885勝 226敗 勝率77%)

Dark_forest筆者(KGSでのランクは1d)は、darkforestと2015年11月中旬に3回ハンディなしの自由対局をした。結果は、勝・敗・敗の1勝2敗であった。darkforestは、殆ど考慮時間なしでポンポン打ってくるところがクラシックな対局ソフトの「GNU Go」*に似ていた。最初は生死の判断が甘いのではと思ったが局を重ねる毎に強くなってくる印象で、darkforestの最終ランクが私と同じ1dとは言え公式対局の成績が勝率75%なので私より1子は強い2d(日本の碁会所で六段以上)はあると感じた。

* GNU Go: GNU Go Teamによって開発されたフリーソフト。簡単なパターンマッチングと局所的なタクティカルサーチを組み合わせた対局ソフト。筆者の囲碁対局サイトには「ぽかボット」の名前で置いてある。実力は5級程度。

(2016.01.01)

8.上述のdarkforestシリーズのボットは、ニューラルネットワーク技術の「ディープラーニング」(深層学習)によって高段者の打ち方を習得してパターンマッチングで着手点を決めているようだ。フェイスブックは、この方式にCrazy Stone(フランスのRemi Coulomが開発)などのボットが用いているモンテカルロ木探索(Monte Carlo Tree Search, MCTS)技術を組み合わせたハイブリッド方式のボットも開発しており、上記KGSに「darkfmcts2」の名前で2015.12.17に登録して対局を開始した。darkfmcts2は、ボットとしてはCrazyStone、Zen19、GinseiIgo、DolBaramなどの先輩のボットと並ぶトップクラスの5d(日本の碁会所では九段格)のランクで人間との対局を続けており、2015.12.29までの間の270局の成績は次のとおり。

darkfmcts2 公式対局95勝62敗 勝率61% 最終ランク5d
(ハンディなしの自由対局を含む全対局の成績の成績 195勝 75敗 勝率72%)

KGSでのdarkfmcts2(5d)の人間との対局で、筆者が偶々観戦していて面白かったのは、2015年12月27日のdroplet(4d)との一局である。黒のdropletが初手を天元に打って真似碁を始めた。ボットが真似碁(英語では"mirror"「鏡」と言うらしい)にどう対応するか興味深々なので多くのギャラリーがチャットをしながら観戦していた。

黒は途中で機会を見て真似碁を止めることもなく終盤に近づいていった。流石に白のボットは黒が先着している天元の周りをダメ場にしたので、盤面持碁で先番の黒からコミ半目を出すので白の半目勝ちが確実と思われた。ギャラリーからは、只々真似を続けて負が確実になった黒に「1時間も真似碁をやってこのまま負けたら本物のバカだ」などのコメントが出だした。

ところが、ヨセも終わって打つところがなくなっ時、ボットが終局前に良くやるようにdarkfmcts2が自陣に1子打った瞬間、黒はすかさずパスをして終局、黒の半目勝ちで終わった。darkfmcts2も終局時に自らパスするようには設定されていなかったようだ。終局の判断と手続きをきちんとする設定がボットには必要だ。この棋譜「darkfmcts2-droplet.sgf」はここからダウンロードできる。
(2016.01.02)


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