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電気自動車を火力発電で動かすより、ハイブリッド車の方がCO2排出は少ない?

1、電源構成で変わる電気自動車の炭酸ガス排出量

Pres_nucl_riyu_co2_inde01_l電気自動車の場合は、電源構成により発電のCO2排出原単位が変わると、車の1km当りの二酸化炭素(CO2)排出量の値も変わってくる。ここで、各種発電方法のCO2排出量を見てみよう。

[注] 燃料電池車(FCV)のCO2排出量については、本プログ内の別項目「燃料電池車はどの程度エコか? JHFCの検討結果からエネルギー消費量とCO2排出量を他の次世代自動車と比較する」を参照されたい。

左図(出所:電気事業連合会)は、各種電源別のCO2排出量を図示したもので、縦軸の1kWh当りのCO2排出量は、所謂「ライフサイクル評価」による値で、発電燃料の燃焼時のCO2排出量のほかに、原料の採掘から発電設備の建設・運用などに関わる全てのCO2排出量を合計したものである。

発電のCO2排出原単位として定義されているものは、この中の茶色の発電燃料燃焼分によるものである。太陽、風力、原子力などがCO2排出原単位がゼロなのに比べて、化石燃料による火力発電は1kWh当り400~900g程度のCO2排出になっている。なお、これらの値は発電プラントの熱効率によって変わる。

2、石炭火力発電の割合と電気自動車のCO2排出量

電源構成による電気自動車のCO2削減効果の変化は、以前から検討されている。石炭火力が多い中国では、電気自動車導入の環境的な意義を確認するために、中国・清華大学と米国・アルゴンヌ国立研究所が共同で研究を行っている。以下は、両者共著の「中国における電気自動車の環境的意味」と題する論文(2010年発表)における主な結果である。引用している図も上記論文からの転載である。

Futurechina右図は、2030年頃の将来を想定して、電源構成に占める石炭火力の割合(その他は、水力、原子力、太陽、風力などのCO2排出ゼロの発電と仮定)とその熱効率をパラメーターにして電気自動車のCO2排出量を評価し、ハイブリッド車およびエンジン自動車のCO2排出量と値が一致する点(ブレークイーブン・ポイント、図中の□印)を示したものである。ここで、2030年の平均電費・燃費は電気自動車5.00 km/kWh、ハイブリッド車25.6 km/L、エンジン自動車18.2 km/L、石炭火力発電の熱効率は40%を用いている。これらの算定根拠については原論文を参照されたい。

この図には、電気自動車のCO2排出量がエンジン自動車と同じになる石炭火力割合87%、同じくハイブリッド車と同じになる石炭火力割合60%の二つのブレークイーブン点が示されている。なお、2030年の中国の石炭火力割合については、EIA/IEA(80%前後)および中国の研究所(70%前後)の予想が示されている。これら石炭火力割合の全土平均では、2030年でもCO2排出量は [エンジン自動車>電気自動車>ハイブリッド車] となっているが、水力発電が多い北西部・中央部・南部の地域では、電気自動車の方がハイブリッド車よりもCO2排出量が少なくなると推定される。

Generationmixchina因みに、中国の現在の石炭火力の熱効率は32%~34%、石炭火力の割合は左図のように地域により65%~98%と大きく異なっている。

Currentchinaこれらを基にした現時点における評価では右図に示すように、中国6地域の内、南部以外では電気自動車よりハイブリッド車の方がCO2排出量が少なく、北部ではさらに電気自動車よりエンジン自動車の方がCO2排出量が少なくなっている。なお、現時点(2008年)の電費・燃費には、電気自動車4.17 km/kWh、ハイブリッド車17.9 km/L、エンジン自動車12.5 km/Lを用いている。

電気自動車導入の意義は、広く、脱・石油依存、エネルギー自給、環境保全、双方向電力流通(V2G)による自動車・電力系統のエネルギー統合、新しい交通システム・ライフスタイルの創出、産業振興などの効果にある。中でも、温暖化対策として喫緊の課題であるCO2排出削減の効果については、発電のCO2原単位が地域により大きな差があることから、電気自動車の導入に関わる方針決定・政策策定に際しては、この論文のような定量的な検討を行っておくことは重要と考える。

3.日本における電気自動車とハイブリッド車のCO2排出量比較

A. 電気自動車とハイブリッド車の燃費

ここでは、電気自動車とハイブリッド車のCO2排出量を、電気自動車は日産「リーフ」、ハイブリッド車はトヨタ「プリウス」を例にとって評価する。

リーフとプリウスのJC08モード燃費は次のとおり。

 ● リーフ(型式ZAA-ZE0) JC08モード電費=124 Wh/km=8.06 km/kWh
 ● プリウス(型式DAA-ZW30 Sグレード) JC08モード燃費=32.6 km/L

新しい燃費計測基準の「JC08」モードによる燃費は、従来からの「10・15」モードの値よりもユーザーの実走行時の燃費に近いと言われている。しかし、一般ユーザーの普通の走行条件では「JC08」モードの値を出すことは先ず困難であり、実燃費とは未だ相当乖離している。

これに対して、米国のEPA(環境保護庁)が制定しているEPA燃費は、都市部走行(City)と高速道路走行(Hwy)と、それらの複合(Combined)の3データが示されており、これらの値は日本の「JC08」モード燃費よりも低く、日本での実走行燃費にかなり近いと考えられる。

 ● リーフ(2011) EPA複合電費=34 kWh/100 miles (City 32 Hwy 37)=4.73 km/kWh
 ● プリウス(2011) EPA複合燃費=50 miles/gallon (City 51 Hwy48) = 21.3 km/L

以下、EPA燃費(複合燃費)を用いて評価する。

B. プラグインハイブリッド車とエンジン自動車の燃費

電気自動車とハイブリッド車に加えて、参考までに、プラグインハイブリッド車とエンジン自動車のCO2排出量も同時に比較する。

プラグインハイブリッド車としては、仮想的にリーフの電費とプリウスの燃費を持ち、ユーティリティファクター(全走行距離に占める充電電力走行距離割合の平均、略して「UF」)が0.5の車を想定し、CO2排出量を評価した。(因みに、2009年トヨタ・プリウスPHVはUF [JC08モード] = 0.462、2012年トヨタ・プリウスPHVはUF[JC08モード] = 0.483、シボレー・ボルトはUF [EPA 複合モード] = 0.64)

 ● プラグインハイブリッド車 電費=4.73 km/kWh 燃費=21.3 km/L  UF=0.5

エンジン自動車としては、日産「ヴァーサ」(Versa、日本名:ティーダ)について評価した。ヴァーサは、日産が 2009年から2010年にかけて全米11州の主要都市で「リーフ」の展示・試乗ツアーを行った時などに、試乗車として使用したリーフのプロトタイプ車* のベースとなった車である。(* ミュールmuleと言い、開発中のパワートレインのみを載せた初期プロトタイプ車のこと)

 ● ヴァーサ(2011 1.8L Automatic) EPA複合燃費=30 miles/gallon(City 28 Hwy 34)= 12.8 km/L

C. CO2排出量の計算方法

CO2排出原単位
 ○ 発電のCO2排出原単位: パラメーターとして0~1.0 [kg-CO2/kWh]の範囲、(記号CP)
 ○ ガソリンのCO2排出原単位: 2.80 [kg-CO2/L] (追記3に説明してあるが、2011年2月21日に掲載した最初の計算では、環境省によるガソリンのCO2排出原単位の2.32[kg-CO2/L] を使用していた。これはタンクまでの上流側のCO2排出を含まない値である。電気の計算では発電プロセスまで遡って評価しているので、ガソリンの上流側排出分として20%増の2.80[kg-CO2/L] を使用することに変更した。以下の文章および図にも、この変更による修正を加えた)

CO2排出量の計算式
 ・電気自動車のCO2排出量= CP/4.73 [kg-CO2/km]
 ・プラグインハイブリッド車のCO2排出量=0.5xCP/4.73 + (1-0.5) x 2.80/21.3 [kg-CO2/km]
 ・ハイブリッド車のCO2排出量=2.80/21.3 = 0.1315 [kg-CO2/km]
 ・エンジン自動車のCO2排出量=2.80/12.8 = 0.219 [kg-CO2/km]

D.  CO2排出量の計算結果

Co2emissionvehicle8with28r左図は、発電のCO2排出原単位(kg-CO2/kWh)を横軸に、電気自動車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車、エンジン自動車のCO2排出量(g-CO2/km)を縦軸に示したもの。エンジン車とハイブリッド車は、発電と関係ないので当然一定となる。

この図から、発電のCO2排出原単位が約0.63 kg/kWhの値をブレークイーブン点として、それ以下の発電CO2排出原単位では自動車CO2排出量は電気自動車が最も少なく、次にプラグインハイブリッド車、ハイブリッド車の順になる。発電CO2排出原単位が約0.63 kg/kWhのブレークイーブン点以上では、自動車CO2排出量はハイブリッド車が最も少なく、次にプラグインハイブリッド車、電気自動車の順になる。電気自動車とエンジン車のブレークイーブン点は約1.04 kg/kWhなので、この図の範囲内ではCO2排出はエンジン車が最も大きい。

2009年度の電気事業の発電のCO2排出原単位は0.412 kg/kWhなので、自動車のCO2排出量の現時点・全国平均の値は、電気自動車が最も少なく、次にプラグインハイブリッド車、ハイブリッド車、そしてエンジン車の順になっており、この差は今後電源構成の脱化石燃料化が進めば大きくなっていく。

環境省の「電気事業者別のCO2排出係数」のサイトに、電力会社別のCO2排出原単位の2009年度の実績値が示されている。それによると、各電力会社のCO2排出原単位[kg-CO2/kWh](図中に↓で記入)は、北海道電力 0.433、東北電力 0.468、東京電力 0.384、中部電力 0.474、北陸電力 0.374、関西電力 0.294、中国電力 0.628、四国電力 0.407、九州電力 0.369、沖縄電力 0.931、となっている。 これから、電気自動車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車のCO2排出量に関わる相対的優位性は、自動車を使用する地域によって変わることが判る。

発電のCO2排出は、原子力発電の導入などにより低下してきており、電気事業連合会では2012年度までの目標として0.34 kg-CO2/kWhを掲げている。(使用端、炭素クレジット調整前の値)

なお、この図のCO2排出量やブレークイーブン点などは、想定した車種の燃費・電費、ユーティリティファクターなどの設定で変わるので、大凡の傾向を示したものと考えて頂きたい。次世代自動車導入の環境・エネルギーへの効果やプラグインハイブリッド車のユーティリティファクターなどについては、別項の解説(12)を参照されたい。

追記1:

世界の主要国の2006年の発電のCO2排出原単位(下記)を、上の「発電のCO2排出原単位と自動車のCO2排出量」の関係図に追加した。

フランス 0.08763 kg-CO2/kWh
ブラジル 0.09840 kg-CO2/kWh
カナダ 0.22358 kg-CO2/kWh
EU27国 0.39295 kg-CO2/kWh
日本 0.44820 kg-CO2/kWh
ドイツ 0.45788 kg-CO2/kWh
英国 0.53715 kg-CO2/kWh
米国 0.6129 kg-CO2/kWh
中国 0.8356 kg-CO2/kWh
オーストラリア 0.95253 kg-CO2/kWh
インド 1.27053 kg-CO2/kWh

これらの国の中で、原子力発電約80%・水力発電約10%のフランスのCO2排出原単位は0.087 kg-CO2/kWh、水力発電約80%・原子力発電約3%のブラジルのCO2排出原単位は0.09840 kg-CO2/kWh、水力発電約60%・原子力発電約15%のカナダのCO2排出原単位は0.022 kg-CO2/kWhと格段に小さい値になっており、電気自動車のCO2排出量も非常に小さくなる。

なお、引用した各国のCO2排出原単位のデータは、英国の環境・食料・農村地域省(Department for Environment, Food and Rural Affairs, DEFRA)とエネルギー・気候変動省(Department of Energy and Climate Change, DECC)による”2010 Guidelines to DEFRA /DECC’s GHG Conversion Factors for Company Reporting (Annex 10 International Electricity Emission Factors)”による2006年の使用端における値である。(2011.07.25)

追記2:

2011年3月の東電・福島第1原子力発電所などの震災による事故、その後の中電・浜岡原子力発電所の政府要請による運転停止につづき、他の社の原子力発電所も定期検査後の再稼働が延期されており、各社は電力需要を賄うために火力発電の稼働率を高めて対応している。このため、発電のCO2排出量が増加しており、2012年度の電力会社のCO2排出原単位は、目標値0.34 kg-CO2/kWhに対して0.58 kg-CO2/kWh程度になりそうだと報じられれいる(EcoJapan 2011年7月19日)。この値は2009年度の実績値の0.412 kg/kWhより大幅な増加となる。

発電のCO2排出原単位が0.58 kg-CO2/kWhの場合、上の「発電のCO2排出原単位と自動車のCO2排出量」の関係図から判るように、電気自動車のCO2排出量が最も少ないのは変わらないが、その値はプラグインハイブリッド車、ハイブリッド車と接近する。(2011.07.26)

追記3:

2011年2月21日に掲載した最初の評価では、電気は発電ロス・送電ロスなどの上流側の排出を含んでいるのに対して、ガソリンは環境省の排出原単位を値を使用していたので、タンクに充填された状態をベースにしており、その上流側の石油掘削・精製・輸送などのCO2排出は含まれていなかった。そこで、上流側の排出を約20%としたガソリンのCO2排出原単位2.80 kg-CO2/Lを使用して、再計算と考察を行った。

参考までに、上流側のCO2排出について、各国の評価例を以下に示す。

英国の例
本評価と同様の方法でBEVのCO2排出量をICEVと比較したEcometrica社の"Your electric vehicle emits 75 gCO2/km... at the power station"と題するレポートでは、上流側のCO2排出として、BEVの場合は75g/kmから85g/kmに増加するので約13%、ディーゼルICEVの場合は159 g/kmから187 g/kmへ増加するので約18%、ガソリンICEVでは99 g/kmから118 g/kmへ増加するので約19%の値を示している。

米国の例
米国のEPA(環境保護庁)の簡易計算計算方式では、発電のCO2排出は、「eGRID2010」(Version 1.0)という発電のCO2排出を計算するソフトを用いて郵便(zip)コードにより送配電ロスを勘案した地域の値を出す。これに石炭掘出から発電所までの輸送のロスの米国平均の1.06を掛ける。ガソリンのCO2排出原単位は、8887g/gallon(2.348kg/L)を使用し、ガソリンの生産、すなわち掘削・精製・輸送など、に関わるCO2排出増として、米国平均の1.25を掛ける。

中国の例
上記清華大学・ANLペーパーのハイブリッド車CO2排出量から逆算すると、ガソリンの排出原単位として2.80 kg-CO2/Lを使用していると推察され、このペーパーの主旨からこの値はタンクより上流の排出を含んだ値と考えられる。また、このペーパーでは、石炭火力による電気自動車への電力供給においてはCO2排出の99%は発電によるとしており、発電の上流側でのCO2排出は1%以下ということになる。

日本の例
日本のJHFCのWell-to-WheelのCO2排出評価では、電力は各電源ミックスについて上流側も入れて評価し、これに送電ロスなども含めて、BEV1km走行当り49gのCO2排出量を算出している。ガソリンのWell-to-Tankの値は、ICEVおよびHEVについてWell-to-Wheelの全CO2排出の内の18.6%となっているので、上流側排出のテールパイプ排出に対する増加分で表すと22.9%となる。

上記の各国の例から、テールパイプからのCO2排出量に対して、ガソリンの自動車タンク上流側のCO2排出は十数%から二十数%、電力については発電所の上流側のCO2排出は1%以下から十数%、という値になると言える。

今回改訂した上記計算の考え方では、ガソリンは油井からの全ての排出を含めているが、電力については発電所の上流側の値が含まれていない。その意味で、ガソリン自動車側にやや厳しい評価と言える。この辺は機会があったら、見直したいと思っている。

なお、燃料消費のみならず、プラント建設・材料・運転からリサイクル・廃棄までのライフサイクルについての評価も自動車メーカーなどで行われている。下記は、Ricardo社による次世代車を含む各種の車型について比較評価した最近のレポート。
Preparing for a Life Cycle CO2 Measure
(2011.9.10)

追記4: 電力とガソリンの両方を Source-To-Wheel (STW*) で評価した場合

* 一次エネルギーの採掘源から自動車の駆動輪までのエネルギー効率やCO2排出量の評価を行うことを一般に、「油井から車輪まで」の意味で「Well-To-Wheel(WTW)」と呼んでいる。自動車に使用するエネルギーがガソリン、軽油に加えて電気や水素を含むようになると、一次エネルギーも石油から、天然ガス、石炭、ウラン、再生可能エネルギーなどと多様化しており、一次エネルギーの採掘源を「Well(油井)」と限定するのは適当ではなくなっており、「エネルギー源」の意味で「Souce」を用い「Source-To-Wheel」、略して「STW」が使用されている。また、油井から自動車のガソリンタンクまでの意味でWell-To-Tank、タンクから車輪までの意味でTank-To-Wheelが使用されてきたが、Tankの代わりに電池が使用されることもあるので、Well-To-Vehicle(WTV)、Vehicle-To-Wheel(VTW)が使用されている。

上記「追記3」の日本の例の項で、「ガソリンは油井からの全ての排出を含めているが、電力については発電所の上流側の値が含まれていない。その意味で、ガソリン自動車側にやや厳しい評価と言える。この辺は機会があったら、見直したいと思っている」と書いた。今回、電力について発電所の上流側も含めた評価を行ったので、以下その結果を記す。

参考にした資料は、「水素・燃料電池実証プロジェクト」(JHFC)の「総合効率検討作業部会」の「総合効率とGHG排出の分析」報告書(平成23年3月、日本自動車研究所発行)で、全文はここからダウンロードはできる。

追記3では、同じJHFCが平成15~17年度に実施したWell-to-Wheelの総合効率のまとめの資料を参照したが、今回参考にした資料は前回の資料に対し「平成22年度に入手可能な範囲でのデータ更新」をして、「燃料電池自動車(FCV)を主とした、各種の高効率低公害車(代替燃料)乗用車の我が国(日本)固有の条件を考慮し、計算に用いる入力データは妥当性かつ透明性に配慮し,W t W (Well to Wheel)総合効率などのデータを検討し、外部研究者が検証可能な客観的な数値データとしてまとめる」ことがゴールと説明(総合効率検討作業部会・石谷久委員長資料)してある。

この「総合効率検討作業部会」は、JHFCプロジェクトとは独立した各界の有識者による評価委員会として関係分野の研究者・専門家に広く参加を依頼して組織しており、東大、東工大、横浜国大、筑波大、工学院大学、産総研、国環研、エネ研、RITE、トヨタ・日産・ホンダ・GM・ダイムラーなど7自動車メーカー、ガス会社、石油会社、その他関連企業、自動車工業会、電事連など合計35団体が参加している。(経産省、NEDOなどがオブザーバー、日本自動車研究所などが事務局)

この報告書によると、燃料の採掘・輸送から発電を経て需要端の電気自動車に至るまでのCO2排出原単位(2009年度)は0.471[kg/kWh]、一方2009年度の発電所以降のCO2排出原単位は0.412[kg/kWh]なので、発電所より上流側の排出は発電所以降の排出の0.471/0.412=1.143倍、すなわち約14%に相当する。(これら数値の出典の図や説明は下の付録を参照されたい)

Stwco2emissionepa2一方、ガソリンについては、この報告書にタンク搭載エネルギーに対する一次エネルギーの比が1.2と示されており、このことから追記3と同じく上流側の排出を20%としたガソリンCO2排出原単位2.80 kg-CO2/Lを使用する。

上記の数値を用いて、電力とガソリンについて、Source-To-Wheel(エネルギー源から車輪まで)の自動車のCO2排出量を計算する。

今回のCO2排出量の計算式は;
 ・電気自動車のCO2排出量= CPx1.143/4.73 [kg-CO2/km]
 ・プラグインハイブリッド車のCO2排出量=0.5x1.143xCP/4.73 + (1-0.5) x 2.80/21.3 [kg-CO2/km]
 ・ハイブリッド車のCO2排出量=2.80/21.3 = 0.1315 [kg-CO2/km]
 ・エンジン自動車のCO2排出量=2.80/12.8 = 0.219 [kg-CO2/km]

この計算結果を、前の図と同じく、横軸に「発電のCO2排出原単位」縦軸に「自動車のCO2排出量」により示す。なお、横軸の「発電のCO2排出原単位」は、電力会社のデータにより電事連や環境省などが発表する需要端1kWh当たりの発電所以降の発電のCO2排出原単位である。

発電所の上流の採掘・輸送などによるCO2排出は、国により異なるのでこの図は日本の場合を示すものであり、日本国内でも厳密に言えば各電力会社で電源構成や地理的状況が2009年度電源構成平均とは異なっているため多少異なってくると思われる。

P60figs付録:出典の図および数値導出の説明

1,上記「総合効率とGHG排出の分析」報告書で上流側CO2排出の参考にした図はp.60の図3-14。(右図はその関係部分の抜粋)
2,この図の一番上がガソリンで、「単位車載エネルギーあたり一次エネルギー投入量[MJ/MJ]」の値の「1.2」を使用した。
3,この図の上から5番目が電力で、「日本MIX充電」の「単位車載エネルギーあたりCO2排出量[g‐CO2/MJ]」であらわした値の「152」を使用した。この値は、電池に入った後のエネルギー[MJ]なので充電効率86%を入れて交流側(電力需要端)のkWhに変換すると152x3.6x0.86 = 471 [gCO2/kWh]になる。
 一方2009年度の発電所以降のCO2排出原単位は412[g/kWh]なので、発電所より上流側の排出は発電所下流の排出の471/412=1.143倍、すなわち約14%に相当する。
 なお、この報告書では2009年度の「電源構成比」(p.21の表3-11)と電中研による「発電起源別のCO2 排出」のデータ(p.50の表3-30)も示されており、この報告書の条件で求めた2009年度の需要端における発電のCO2排出原単位は406[g/kWh]と計算されるが、前記電事連の412[g/kWh]との差は小さく、ここでは電事連の値を用いた。
(2012.03.29)

追記5: JC08モードによるSource-To-Wheel(STW)の総合CO2排出量

追記4までは、実際的なCO2排出をみるために、実用燃費に近い燃費としてEPAの複合燃費にもとづいて電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、エンジン車の各車種について、Source-To-Wheel(エネルギー源から車輪まで)の総合CO2排出量を評価してきた。

Stwco2emissionjc08本項では、上記4車種についてJC08モードによる国土交通省審査値をもとに、Source-To-Wheelの総合CO2排出量 [gCO2/km]を計算した。この結果を前と同様のスケールで図に示す。横軸は電力会社のデータにより電事連や環境省などが発表する需要端1kWh当たりの発電所以降の発電のCO2排出原単位、縦軸は各車種の1km走行当たりのSTWのCO2排出量である。

本項でも、電力の発電所より上流のCO2排出は発電所下流の14.3%、ガソリンの車載タンクより上流のCO2排出は車のテールパイプから排出する量の20%の値を使用した。これらの値は追記4に記載の「総合効率とGHG排出の分析」報告書(平成23年3月、日本自動車研究所発行)から引用しており、その詳細は追記4を参照されたい。

今回の各車種を代表させた車とそのJC08モード燃費は次のとおり。

 ・電気自動車:日産・リーフ(ZAA-ZE0)電費 8.06 km/kWh
 ・ハイブリッド車:トヨタ・プリウス(DAA-ZVW30 グレードS)燃費 30.4 km/L
 ・プラグインハイブリッド車:トヨタ・プリウスPHV(DLA-ZVW35 グレードS) CDレンジ電費 8.74 km/kWh、CSレンジ燃費 31.6 km/L、ユーティリティファクター 0.483
 ・エンジン車:日産・ティーダ(DBA-C11、1.5L、CVT)燃費 18.0 km/L
(注: プラグインハイブリッド車は2012年式プリウスPHVの国土交通省審査値が出たので使用、ティーダ(米国名・ヴァーサ)は同審査値のある1.5L・CVTの値を使用)

なお、Source-To-Wheelの総合CO2排出量は次の式により計算しているので、それぞれの車種に任意の電費、燃費、ユーティリティファクターを入力すれば、同様の計算が可能である。

 ・電気自動車のCO2排出量= CP/NE [kg/km]
 ・ハイブリッド車のCO2排出量=CG/NG [kg/km]
 ・プラグインハイブリッド車のCO2排出量=UF x CP/NE + (1-UF) x CG/NG [kg/km]
 ・エンジン自動車のCO2排出量=CG/NG [kg/km]

ここで
 CP:発電のCO2原単位 [kg/kWh](一次エネルギー源から自動車(交流側)までの需要端1kWh当たりのCO2排出量。本計算では、電力会社のデータにより電事連や環境省などが発表する需要端1kWh当たりの発電所以降の発電のCO2排出原単位を1.143倍したもの)
 CG:ガソリンのCO2排出原単位 [kg/L](環境省によるガソリンのCO2排出原単位の2.32[kg/L]にタンク上流の CO2排出分20%を加えたもの、本計算では. 2.80 [kg/L]を用いた。
 NE:電費 [km/kWh]
 NG:ガソリン燃費 [km/L]
 UF:ユーティリティファクター [-](全走行距離に対する電力で走った距離の割合)

なお、上記のプラグインハイブリッド車の計算は、CDレンジを全部電力走行した場合、すなわちAE(All Electric)モードの場合で、CDレンジにおいて一部エンジン走行が入るBlendedモードの場合は別の式になる。
(2012.3.31)

追記6: 別項目を立てましたので、そちらも御覧ください。

上の結果を要約して、別項目の「エネルギー・環境対応型自動車の総合CO2排出量」に概要を書いており、新しい内容も追加していますので、そちらもご参照下さい。
http://hori.way-nifty.com/synthesist/2012/04/co2-e34e.html

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コメント

計算ではリーフの充電ロスが計算されておりません。

通常リチウム電池の充電効率は90%です。
また充電インバーターの効率は80ー90%です。

つまり、買電からリーフのバッテリ容量に反映される
のに20%程度のロスがあります。リーフは充電時に
ラジエーターファンがまわることが警告されています。

これらを計算にいれると、関西と九州でトントン、
他の殆どの電気会社で電気自動車の炭酸ガスは
ハイブリッド車を上回ります。

さらにリーフのバッテリー寿命は5ー8年
の可能性があります。バッテリー価格の
150万円はいかにしても回収できません
し、バッテリー製造に要した炭酸ガスも
当然回収できません。プリウスは第二
世代からタクシーや営業車に使われて
いますが、車の生涯でバッテリー交換を
要した車はないとのことです。

投稿: FUSHIKIZ | 2011.03.04 23:44

① 系統電力で走行する電気自動車などのプラグイン自動車のエネルギー消費率(電費、km/kWh、kWh/100miles、など)の審査値は、日本でも米国でも、充電器に入る前の交流側で計測した値(kWh)を基準にした、所謂「交流電力消費率」を使用しています。

一方、発電のCO2排出原単位は使用端での値(kWh)を基準にしていますので、同じkWhによるCO2排出原単位/電費により車のCO2排出量の計算をしています。

② 車とその燃料の資源必要量やCO2排出量について、ライフサイクルで評価をすることは重要だと思います。

投稿: Synthesist | 2011.03.05 11:52

・バッテリー価格が「いかにしても」回収できない理由が不明
 私はバッテリーが劣化したら蓄電池として使用する予定ですが、それすらタダ同然というご意見でしょうか?
 「いかにしても」の意味も併せてご説明願いたい
・リーフは途中でバッテリー交換が必要だが、プリウスは交換不要とのことですが、
 プリウスがどの位の年数使っていて交換不要なのかが分からない
 リチウムイオン電池よりニッケル水素電池の方が優れているというご意見でしょうか?
これらの説明がないと、FUSHIKIZさんのコメントは主観が大半を占める偏った意見に見えます。

投稿: uminchu | 2011.10.11 05:29

勉強になりました。
電気自動車が普及しても、すぐに原発なんか立たないので、その為に必要となる電気は、火力発電の稼動が上がる事で補われます。
また、原発、水力、太陽光、風力等のCO2出さない電気は、そもそも可能な限り発電する様になっているので、電気の需要が増えた場合の需要調整は火力発電でなされます。
つまり現実には電気自動車の電気は火力発電の電気という事です。
また、環境省が公表している電力会社別のCO2排出原単位(原発も水力も排出権も入っている)は、大口の高圧の電気需要者向けであり、一般家庭では配電ロス等が増えるので、この原単位ももう少し上がりますね。
色々考えるとプリウスって事ですね。

投稿: satton | 2011.11.27 02:14

[uminchuさんのコメントに対する答え]

答えが遅くなりすみません。
>バッテリー価格が「いかにしても」回収できない理由が不明 私はバッテリーが劣化したら蓄電池として使用する予定ですが、それすらタダ同というご意見でしょうか? 「いかにしても」の意味も併せてご説明願いたい

おこたえ

いかにしても」の意味は、リーフ450万プリウス225万の価格差を燃費では回収できないということです。またリチウム電池を交換したら(250万)ますます回収できません。高価ということは製造にエネルギーがかかっていることでもあります。かつて日産はハイパーミニなる電気自動車を300台発売しましたが、全数電池不良、保守用交換用電池無しで全車廃車になった事実をごぞんじでしょうか。

日産は5年で80%程度の劣化を見込んでいますが、下記資料では長持ちさせるために急速充電をなるだけしないこと、充電も容量80%までのバッテリーにやさしいロングライフモード充電用を強くすすめております。日産は劣化したリチウム電池を蓄電用に使うとリリースしていますが、いまだ事業も発表されていません。リチウム電池の交換費用も資料では未定としております。以前150万と書きましたが250万との観測が多いです。リチウム電池の充電マネジメントは専用電子回路を使って厳重にやる必要があり劣化した電池が発火しないことを保証するなど簡単でないですよ。

資料 http://ev1.nissan.co.jp/FAQ/

家電ではニッケルカドミニウム、ニッケル水素はリサイクルされステンレス用の精製度として回収されておりプリウスもそのパスにのっていました。今回トヨタは電池に使える精度度でリサイクルする方法を開発し事業をたちあげたところです。ニッケル系はニッケルが高いのでリサイクルは数十年前から存在しています。

リチウム電池はリサイクル法が確率していません。これは放電後もリチウム電池を叩くと自己発火するためです。ボルトも衝突実験後自己発火しました。現状では焼成回収する方法が研究中で事業として確立されていません。もしリサイクル事業が進行しているならご教示ください。同様に劣化したリチウムを家庭の蓄電に使う事業が立ち上がっているならご教示ください。

>リチウムイオン電池よりニッケル水素電池の方が優れているというご意見でしょうか?

リチウム電池に利点が多いのですが自動車として製造から廃棄までのトータルコスト、車の生涯10年について寿命や劣化についてのデータは公表されません。トヨタは長年プリウスのPHVの実証やっていましたがなかなか販売しませんでした。もし自動車用リチウム電池の劣化のデータをお持ちでしたらご教示ください。

[Synthesistのブログに対するコメント]

私はsynthesistさんの過去の評価は電気自動車側に甘いと感じています。CO2発生源単位は2009年のものを使われておりますが、原発1機以外全部止まり発生源効率は43%より低下してます。2009年の数字を使い続けられることは主観が大半を占める偏った意見に見えます。

最後にこれだけは教えていただきたいです。非常に簡単な計算ですが、EPAは33.7kwh=ガソリン1ガロンなる換算(熱量が28885kcalことから発電効率が考慮されていない)で計算した燃費が

リーフ99mpg プリウス 50mpg

です。単純にリーフの99mpgに発電効率43%をかけると

リーフ43mpg プリウス 50mpg

とリーフの燃費が悪くなります。synthesistさんは非常に複雑な計算をされていますが、この数字とずれがあるように思います。この単純な計算は間違いでしょうか?、これについてもご教示ください。

現状では電気自動車は既に我が国においても、ありふれたプリウスとイーブンもしくはそれ以上のCO2を発生している可能性が高いと思っています。

投稿: fushikiz | 2012.04.24 13:53

fushikizさんのコメントにお答えします。

1,発電の原単位の値の変化に対するアップデートの件

CO2排出の図の中に書いてある電力会社ごとおよび日本の平均の発電のCO2排出原単位の値は、電力会社の電源構成によって変わりますので、年によって変わります。この図を作成した時は09年が最新でしたが、現在は環境省のホームページに10年度の値が出ています。

電力各社とも11年度から原発停止の影響でCO2排出原単位は増加しているので、図中に参考として示した各社・日本平均の値は、適当なタイミングでアップデートしたいと思っています。

2,「リーフ43mpg プリウス50mpg」の件

まさに、このような発電効率を用いて、私のブログで使用しているCO2値が計算されています。

私のブログの一番上の図の「各種電源別のCO2排出量」のCO2排出量は発電効率によって決まる値です。さらに、電源を構成する天然ガス、石炭、原子力、石油、水力などについて、それぞれの発電効率などを考慮してそのミックスとしての発電のCO2排出原単位を出しています。fushikizさんが使用した熱効率は火力発電の平均値だと思いますので、火力発電にはこのような効率などから求まるCO2排出量を計算し、その他の発電にはそれぞれの発電プラントの条件から求まるCO2排出量を計算して、このミックスとして1kWh当たりのCO2排出原単位を出しています。

また、私の計算はWell-to-Wheelの総合CO2排出なので、電力は発電所のさらに上流のガス田、炭鉱、石油井、ウラン鉱山などの一次エネルギー源からのCO2排出を含めており、ガソリンも石油精製プラントのさらに上流の石油井からのCO2排出を含めています。

これらの結果を要約して、「エネルギー・環境対応型自動車の総合CO2排出量」のブログに概要を書いていますので、そちらもご参照下さい。
http://hori.way-nifty.com/synthesist/2012/04/co2-e34e.html

投稿: Synthesist | 2012.04.25 21:53

ごていねいなお答えありがとうございます。

お示しいただいたリンクのEPAべースのグラフの方がより現実的かとおもいました。

現在日本に300万台存在し、乗用車販売の20%も存在するハイブリッド車とリーフの比較は現実的に重要かと思います。EPAベースではプリウス、PHV、リーフとも0.55kg/kwhでクロスしております。JC08ベースでは0.65付近でクロスしております。過去SynthesistさんがややEVに甘いのではないか、と思ったのはクロスポイントが高めと思ったからです。0.55は正しいと思います。

世界有数のエネルギー輸入国でありながら10-15とかJC08とか甘い基準をいまだ使っていることは情けないと思います。実際日本の標準的ユーザーとEPAとEU規格が道路状況が違うにも関わらず殆ど数字が同じです。実に情けない気がします。

ただしこれほど電力事情が激変した現時点、また本年度は有意な数の原子力再稼働は期待できないとしたら、やはり正確な日本の総電源のCO2排出源単位の数字がぜひともこのグラフに欲しいと思いますし、これを示すことは国民にとっても大事かと思います。
Synthesistさんの図に是非現時点の各電力会社の正確なCO2排出源単位、それも排出権購入前の数字が欲しいのです。図の関西電力の0.3hは過小だと思います。それは

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10574

では関西電力0.36、全電源0.55という数字があるからです。現在は老朽化した火力や効率の悪い火力も炊いているわけで、全電源0.55より数字は大きくなっている(おそらく0.6付近)可能性があります。そうすれば、そうすれば、

リーフ43mpg プリウス50mpg

と奇妙に符号するからです。ご多忙かと思いますが、よろしくお願いします。

投稿: fushikiz | 2012.04.26 18:07

Fushikizさん、コメント有難うございます。

発電のCO2排出係数については、ご指摘のように、2009年度ではなく、出来たら2012年3月までの2011年度のものを使用したいと思っています。

ただ、今までに発表されたCO2排出係数の最新のものは、Fushikizさんのコメントにもあった環境省の

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14702

のデータで、発表は2012年1月ですが、2010年度(2010年4月~2011年3月)のもので、震災の影響は半月程度しか入っていません。

2010年度の10電力の平均の値も、Fushikizさんが言う「全電源平均で0.56」の値が、もし上記サイトの「代替値」の値(0.000559 t-CO2/kWh)を引用しているとしたら、これは平均ではなく電力会社が購入している外部事業者の排出の捕捉不可能なものを推定したものだと思います。これに関して詳しくは、次の資料をご覧ください。
http://www.env.go.jp/earth/ghg-santeikohyo/material/denkihaishutu/cm_ec/full.pdf

2010年度の10電力の平均の実排出係数(使用端CO2排出原単位 kg-CO2/kWh)は、下記の電事連→経産省の資料にあるように「0.413」で、09年度の「0.412」より僅かに 0.001の増加です。これは震災の影響が半月程度なので、この程度で済んだと考えられます。
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004606/2011_04_01.pdf

私が言いたかったことは、電気自動車のような外部充電電力で走行する車は、「Zero Emission Vehicle」(ZEV)ではなく「Emission Elsewhere Vehicle」(EEV、どこか他所で排出している車)とも言われているように
http://www.cordia.jp/blog/?p=1029
そのCO2排出量の評価は車からだけでなく電源のCO2排出まで遡る必要があることです。そして、公平性の観点から、ガソリンと電力の両方について一次エネルギー源まで遡りました。

環境性に関わる評価も、お説のように、プリウスやリーフのような現実の車の現実の燃費で計算するのが判りやすいと思っています。

計算して判ったことは、日本の10電力の地域によるCO2排出の差が大きく、これによりハイブリッド車と電気自動車の環境的な優位性が地域により変わることです。そして、現在の状況では、地域および日本全体で原子力発電の利用が今後どうなるかによって、これら車の環境的優位性が大きく影響されることです。

日本の平均のCO2排出係数の11年度の実績と12年度の予想の数値を調べて、ブログ掲載の図に追加したいと思っています。数値がない場合は、言いたいことを説明文で補足することを考えています。

投稿: Synthesist | 2012.04.28 11:12

プリウスとリーフに乗っています。特にエコランに気を配っていませんが、そこそこおとなしく乗っています。
で、燃費、電費ですが、プリウスは18~25km/L、リーフは5.5~8km/kWh、エアコンなしの市街地走行ではプリウス21km/L,リーフ7km/kWh程度です。
上の記事にでてくる数字を個別に見ると、
JC08燃費
・リーフ 8.06 km/kWh ・・・エコラン名人にとっては最悪と言える数字
・プリウス 32.6 km/L ・・・エコラン名人が好条件時に出す数字
EPA複合燃費
・リーフ 4.73 km/kWh ・・・どんなひどい走り方をしても絶対に出せないような低い数字
・プリウス 21.3 km/L ・・・普通の人が普通に走った数字
つまり、JC08もEPAも、ハイブリッドには甘く、電気自動車にはありえないぐらい厳しい数字を示しています。まず、そのあたりを見直してください。

投稿: MaT | 2013.11.04 19:43

最近、このブログを拝見させていただきました。
詳細に計算されており、大変勉強になりました。
皆さんがおっしゃっているように、最新の「発電のCO2原単位」で計算されると面白いですね!
また、FCVも計算に加えていただけると非常に面白いと思います。
ただ、最近は石油を使った発電から石炭を使った発電が主流に移りつつあるようですね!
石油は、様々な製品も原料となるため燃やしてしまうのは勿体無いとの考え方と石炭発電のコストが非常に低いという事の様です。
石炭発電も原発お顔負けの高効率で近いうちにCO2排出も気にしなくて良くなりそうですね!
これを考えると圧倒的にEV有利となってしまうかもしれません。

それから、皆さん基本的な事をお忘れなのか無視している様なので一言
基本的にEVは年に数回の遠出以外は、電力需要の少ない夜充電するものなのです。
電力会社は最大需要電力を超える電力を作っております。
火力発電では、夜の出力を下げ出来るだけ無駄にならないようコントロールしていますがゼロにはできません。
水力や風力で作られた電力は揚水発電で多少は回収していますが、効率は約30%以上下がります。
つまり、EVは火力発電で夜ゼロにはできない電力や水力や風力の再生可能エネルギーで作られた捨てざるを得ない電力を有効利用しているのです。CO2排出量はゼロと言っても過言ではないのです。EVの割合が増えるほどCO2を削減できるのです。
この事は大変重要なことで国のEV推進の大きな目的の一つでもあります。

fushikizさんへ一言
リチウムイオンバッテリーのリサイクル技術は既に確立しています。
4Rエナジーという会社が2010年に日産と住友商事により設立されています。

4Rエナジーのホームページ:http://www.4r-energy.com/

また、日産リーフの価格が450万円とは、何処からの情報ですか?
出始め補助金を入れなくても最大406万円だったと思いますよ!安いものは、376万円でした。
補助金をいれると、299万円~328万円でした。補助金を考慮しないとは、フェアじゃないですよ。
購入者が支払うのはこの金額ですから!

それから、電池交換費用250万円はどこからお聞きになりましたか?
日産は、交換費用は公開していないですよ!僕も何度かEVお客様窓口に電話をしましたが教えてくれませんでした。
基本全交換はしないそうです。劣化した場合は、48個ある電池の内、交換が必要なもののみを交換で最低限の出費に留めてくれるそうです。
最近日産では、下記の様なサポートもはじめた様です。
バッテリー容量保証:http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2013/_STORY/130607-01-j.html
バッテリー交換プログラム:http://response.jp/article/2013/06/25/200791.html

それから、下記情報も何処から?
「300台発売しましたが、全数電池不良、保守用交換用電池無しで全車廃車になった事実をごぞんじでしょうか。」
そもそも生産台数は、wikiで219台となっています。しかもまだ内の会社にはハイパーミニがあって走っていますよ!
この前総務の人間が電池を交換したからバンバン走るよと言っていましたが。。。

それから、下記ですがここに効率をかけてはいけません。
--------------------------------------------------
リーフ99mpg プリウス 50mpg
です。単純にリーフの99mpgに発電効率43%をかけると
リーフ43mpg プリウス 50mpg
とリーフの燃費が悪くなります。
--------------------------------------------------
理由は単純で、既に石油からこの発電効率で得られた結果の電力を使っているからです。
そこでCO2排出量も既に考慮されております。

投稿: hitokoto | 2013.11.28 22:35

MaTさん コメント有難うございます。

平均的な実用燃費の信頼できるデータがあればそれを使うべきだと思います。最
近は日本自動車工業会がJC08燃費が実用燃費から乖離している程度を分析して発
表しましたが、電気自動車を含めてこのような評価をもっと進めて欲しいと思っ
ています。
http://clicccar.com/2013/07/05/224404/
http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/jamagazine_pdf/201306.pdf

ところで、電気自動車の電費の値を車載の電費や電力の表示から得る場合は、電
池に充電された状態の電力量ベースになりますので、交流電力消費率で算出して
いるJC08やEPAの電費より充電効率(普通80%~92%、JHFCの評価では86%を使用)
の分だけ電費(km/kWh)が大きくなるようです。

これについては、プリウスPHVを使用している八重樫さんが自宅の充電器に電力
計をつけて車載の電力表示との差から充電効率87%を算出しています。
http://www.cordia.jp/blog/?p=1165

リーフについてはあまり調べていませんが、次のような記事もあります。
http://ecocar.asia/article/58692415.html

投稿: Synthesist | 2013.11.28 22:57

リーフのEPA複合電費の数字が間違っていますよ。

34kwh/100miles(誤)→ 24kwh/100miles(正)

MaTさんが実際の感覚と違うとおっしゃっていたので、リーフの諸元表を確認しました。
バッテリー容量は24kwhなので 電費 約6.7km/kwhになります、よって
その後の計算すべてが、30%ほどリーフが数値が悪くなる結果になってしまうことになります。

古い記事に今更のコメントですが、訂正してください。

投稿: 38 | 2015.06.26 22:46

38さん、コメント有難うございます。
投稿に気が付くのが大変遅くなって失礼しました。以下、お返事します。
------------------------------------------------------
2011年型リーフのEPA燃費は、下記のEPAの燃料経済性のサイトに「Combined City/Highway電費:34kWh/100miles」と出ていますので、間違いないと思います。

https://www.fueleconomy.gov/feg/noframes/30979.shtml

「2011 Nissan Leaf」の表の中の「Fuel Economy」の欄の「Electricity」の囲いの最下行に「34 kWh/100 miles」と出ています。

投稿: Synthesist | 2016.05.09 21:13

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