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ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車などの次世代自動車導入の環境・エネルギーへの効果

Jsaepapercover_22006年の夏頃から始めた「HEV、PHEV導入によるエネルギー需給変化とCO2削減の効果」の研究は、08年10月名古屋での自動車技術会2008年秋季大会で発表し、09年7月発行の自動車技術会論文集に掲載しました。この全文は自動車技術会の転載許可を得て、ユニバーサルエネルギー研究所のサイトに置いてあります。

この研究は、このブログの別項に記載の「プラグインハイブリッド車導入の環境・エネルギーへの効果」(この全文も上記サイトにあります)の続編とも言うべきものです。

その内容は、日本の乗用車市場に、従来からの内燃機関自動車(ICEV)に代わってハイブリッド車(HEV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)・電気自動車(BEV)などの次世代自動車を導入することによる、長期的なエネルギー需給構造の変化とCO2排出削減の効果を次のように評価したものです。

Jsae0907fig2_3① 日本の平均的な登録車・軽自動車ユーザーの走行パターンを用いて、ICEVと次世代自動車のエネルギー・環境特性を比較した。

② 電池価格、電池容量などをパラメーターとしてICEV・HEV・PHEVの車両費用とエネルギー費用からなるユーザーの保有費用を比較し、HEV・PHEVが経済的に成立する条件を調べた。

③ HEV・PHEV・BEV導入のエネルギー効果を、「ロジスティック曲線」を用いた導入シナリオにより評価した。これら次世代自動車の導入により、消費するガソリン・電力とその一次エネルギーの種類・量を評価し、長期的なエネルギー需給構造の変化とCO2排出削減の効果を調べ、エネルギー消費効率改善と石油依存度低減の可能性を定量的に評価した。

結論は次の通りです。

1. 自動車のパワートレインがハイブリッド化・電動化することによるエネルギー節減、脱石油、CO2削減の効果は大きい。

2. 電池価格がkWhあたり2万円~3万円以下になると、ユーザーの10年保有費用でPHEV、BEVがICEV、HEVと競合可能あるいは有利になる。

3. 今後20年で50%の乗用車を次世代化するロジスティック曲線によるシナリオを想定すると、エネルギー需給構造の変化とCO2削減の効果が2020年代以降顕著になる。このシナリオでは、「新・国家エネルギー戦略」に示されている目標値の「エネルギー消費効率改善30%および石油依存度80%程度」を達成することができる。

この研究を行った2006年~2008年の状況では、「今後20年で(保有割合で)乗用車の半分を次世代化する」という想定は相当大胆なものでしたが、09年の現時点で検討されている地球環境対応中期計画の中の次世代自動車導入シナリオは、まさに本研究の想定に近いものになっています。

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