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GMがプラグインハイブリッド車Voltの市販バージョンを公開

Gmchevyvoltofficial001Gmchevyvoltofficial003GMのプラグインハイブリッド車Chevy Voltは、07年1月に開催された北米国際自動車ショーでそのコンセプトが発表され、以来、開発が続けられてきた。

そして、08年9月16日、GM創立100周年記念イベントの席上で、Voltの市販バージョン「2011 Chevrolet (Chevy) Volt」が遂に発表された。最初のコンセプトカーと比べて、外観も中身も相当に変わったという印象。

この型は、普通「シリーズ型プラグインハイブリッド車」と呼ばれているが、GMは"Extended-Range Electric Vehicle (E-REV)"「航続距離延長型電気自動車」と呼んでいる。GMでは、このパワートレインを「E-Flex」と名付けている。

GMの会長・CEOのRick Wagonerは、「Chevy Voltは、GMの次の100年を切り開くモデル。自動車業界はこれからのエネルギー・環境に対応して行く必要があり、Chevy Voltは将にそのための技術革新であり、GMの将来に対するコミットメントの象徴」と語っている。

Gmchevyvoltofficial008Gmchevyvoltofficial0112011年型Chevy Voltは、4人乗・前輪駆動・5ドアセダン。電気のみで40マイル(64km)を走行、それ以降はガソリン(またはE85燃料)を使用する4気筒1400CC自然吸気エンジン・発電機によりシリーズハイブリッド型のガソリン電力走行をする。

電池は16KWh容量のリチウムイオン型、電池走行モードの充電状態(SOC)は通常85~35%の範囲、満充電は120Vで8時間、240Vで3時間。走行距離が40マイル以下の場合はさらに短時間で充電可能となる。40マイル走行の電気料金は1KWh10セントとして約80セント、「コーヒー1杯の値段より安い」とGMは言っている。

電気モーターの最高出力は150馬力、最大トルクは370Nm。最高時速は100マイル(160km)。ボディサイズは全長4404×全幅1798×全高1430mm。タイヤは低走行抵抗型・17インチアルミホィール。

市販バージョンの組み立てはデトロイトのHamtramck工場。発売は2010年11月の予定。

GMは、Chevy Voltのリチウムイオン電池を外部のA123社などの電池会社から調達し、15万マイルの耐久性を目標として電池システムの開発・試験を進めている。有名な電池コンサルタントのAnderman氏は、Timeサイトで「GMはリチウムイオン電池システムの開発・試験に4-5年かかる筈」と述べており、販売価格4万ドル以下のコスト目標の達成と「リチウム化学」を克服する電池マネージメント技術の確立が、2011年式Volt成否の鍵となりそうである。

追記1:
米政府の新しい燃費基準(CAFE)によって、自動車メーカーは2020年までに燃費を40%改善して平均35MPG(マイル/ガロン)を達成しなければならない。Voltのような電気とガソリンの両方で走るPHEVの「EPA(環境保護庁)」燃費の計算方法は未だ決定されていないが、GMはVoltは100MPGに分類されると言っている。これによって平均燃費が改善されるので、GMが大きなトラックやSUVをペナルティなしに販売継続する助けになる。

なお、電気自動車については、電気消費量のガソリン消費量への換算が「DOE 10 CFR Part 474コード」によって規定されている。電気自動車Teslaは、EPAの規定に従って行った航続距離と燃費の試験結果から、ガソリン換算燃費として256MPG(108km/L)を発表している。GMは、Voltを電気自動車として認定するように主張しており、この問題についてCARB(カリフォルニア州大気資源委員会)、SAE(米国自動車技術会)、EPAなどが、それぞれ検討しており、一部見解が報道されている。
(08.10.04)

追記2:
09年8月に、GMが2011年式Voltの燃費(レーティング)は、230MPG(ガロン当たり走行マイル、換算すると97.8Km/L)と発表しました。この230MPGという値は、EPAの航続距離延長型電気自動車に対する新しい燃費評価方法(ドラフト)によるものか、GMは「230」キャンペーンを始めるようです。

トヨタの新型プリウスのEPA燃費レーティングは、MPG単位で、51 city/48 highway/50 combinedですので、230MPGと言う値は驚異的です。

EPAドラフトの評価式は未だ公表されていませんが、例えば、50マイル走行で見ると、40マイルは電気で走りガソリン0ガロン、残りの10マイルをエンジン発電走行で45マイル/ガロンとして、ガソリン0.2222ガロン消費、故に50マイル走行/0.2222ガロン=225マイル/ガロン、のような計算でしょうか?

"It /is/ a GM, after all…" (まさに、GMのやる事)と「感心」しているサイトもありました。

これに対して日産自動車は、早速Twitterで、電気自動車Leafについて「Nissan Leaf = 367MPG、テールパイプなし、ガソリン不要。そして価格も手頃」、「エネルギー省の評価方法で、日産Leafは367MPGと推定」と発言しました。(367MPG = 156Km/L)

これらの報道について、Responseの記事では、

「・・・ この「230MPG」のインパクトは強烈。他社に与えた影響も大きく、日産はソーシャルネットワークサービスの「Twitter」において、「新型EV『リーフ』の燃費は、EPAの新燃費基準に照らすと、367MPG(約156km/リットル)になる」との見通しを示し、ボルトをかなり意識している様子だ。」と書いていました。

しかし、「367MPG」の計算根拠は、日産はTwitterの中で「DOE」と言っているので、Responseの記事が言っている「EPA」ではなく上記「DOE 10 C.F.R. PART 474」コードの中の「電気自動車のガソリン相当燃費計算方法」だと思います。
(09.11.05)

EPAのプラグインハイブリッド車を含む乗用車の燃費表示の案が公開され、広く一般から意見を募集しています。この内容はここにまとめています。
(2010.9.23)

2011年式VoltのEPAによる正式の燃費ラベルが発表されました。これに関するニュース・解説はここにまとめてあります。
(2010.11.26)

追記3:
GM Voltの広報戦略「"Range Anxiety" (航続距離不安)」はここ
(2010.09.09)

追記4:
GM Voltのパワートレイン変更「シリーズ型プラグインハイブリッド車のGM VoltとOpel Amperaにハイブリッド型式変更の噂 追記:やはり噂は本当だった」はここ
(2010.10.26)

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