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2008年3月

「エネルギーレビュー」誌の次世代自動車特集

Energyreviewcovers_2ERC出版発行の月刊「エネルギーレビュー」誌が、2008年3月号で「次世代自動車の開発展望」の特集をしています。「エネルギーレビュー」誌は、エネルギー全般の技術、政策、経済、社会、環境問題、科学技術に関する総合月刊誌で、大学、企業、研究機関、中央・地方官庁などで巾広く読まれているようです。

特集の構成は、

■次世代自動車をめぐる動向 -- 水素、電力「燃料」中心に開発進む
日本自動車研究所 渡辺 正五
 
■ハイブリッド車開発の現状と展望 -- 普及の鍵は小型軽量化とコスト低減
トヨタ自動車 朝倉 吉隆
 
■開発進む新世代電気自動車i-MiEV
三菱自動車工業 吉田 裕明
 
■FCV開発の現状と展望 -- 量販化の鍵はコストと水素インフラ
本田技術研究所 守谷 隆史
 
■次世代自動車の地域実証 -- 青森県の経済活性化も視野に
青森県庁 高坂 幹
 
■次世代自動車導入のエネルギー・環境効果 -- 省資源や脱炭素化が可能に
ユニバーサルエネルギー研究所 堀 雅夫

「運輸部門のエネルギーをどうするか」、これはエネルギー自給と地球環境の問題から、今注目されている課題です。運輸部門のエネルギー消費の90%を占める自動車は、電動パワートレインを採用した次世代自動車の開発・導入に向かって大きな転換の最中です。ゼネラルモーターズの重役が、「車が100年も石油で動いたのは長すぎた」と言っているように、世界的に喫緊の課題になっています。

この問題の解決には、1発の弾で敵を仕留めるような"Silver bullet"がないとすると、この特集で展望しているような各種の次世代自動車の競争・協働・展開によって、運輸用エネルギーの革新をしていくことになると思います。

Horipapertitles_2この特集の最後に、私が次世代自動車のエネルギー・環境効果について書きました。(この原稿はここに置いてあります) 要は、これらの自動車が使用するエネルギーキャリアーが、電動パワートレインによってガソリンから水素・電気に変わることによって、Well-to-Wheel効率上昇による一次エネルギー消費量の半減と、燃料製造・発電などエネルギー転換経路増加による一次エネルギーの多様化が可能になります。即ち、運輸用エネルギーを石油から原子力、天然ガス、再生可能エネルギーなどに転換することが出来、その使用量の節減と合わせて、エネルギー自給と地球環境保全に大きな効果が出てきます。

もう一点、注目すべきことは、自動車は電動推進化によって、大きな出力の電力供給能力を持つことです。主要国の全乗用車が持ち得る電力(KW)をその国の全発電電力(平均KW)と比較すると、自動車の方が7~11倍大きな電力を持つことになります。乗用車は平均して1日23時間駐車してますので、これらの車の一部が可能な範囲の電力融通をするだけでも、系統へ大きな効果が出てきます。

車が電力融通をする系統としては、先ず家庭・事業所・地域などの小規模系統で系統内の電力の効率的運用に、また太陽や風力などの変動電源の調整に効果が期待されます。さらに、大規模商用電力系統の短時間変動に対する調整電源や非常用電源としての可能性もあります。

将来多くの自動車が電動推進化すると、このように需要側・供給側のエネルギーマネージメントに大きな変革をもたらす可能性が考えられます。

次世代自動車のこのような効果は、まさしく「自動車がもたらすエネルギー革命」と言えると思います。

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