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原子力による運輸用エネルギー

Commentarycover「原子力による運輸用エネルギー」というタイトルの展望・解説書をNSAコメンタリー・シリーズのNo.15として07年6月に刊行しました。

運輸用に消費されるエネルギーは、日本では最終エネルギーの約1/4を占めており、その98%は石油によって賄われています。一方、日本で同じく最終エネルギーの約1/4を占めている電力は、原子力32%、石炭25%、天然ガス24%、石油10%、水力8%の発電電力量構成(2005年)になっており、脱化石燃料・脱石油によるエネルギー安定供給・温暖化抑制の方向に進みつつあります。

そこで、発電の場合と同様に、運輸用エネルギーを原子力から供給できれば、エネルギー自給、地球環境保全への効果は大きくなります。

現在、運輸用エネルギー消費の87%を占めている自動車のガソリンなどに代わるエネルギー・キャリアーとして、水素、電気、合成燃料が有望視されています。そこで、これらの供給に原子力がどのように対応・貢献できるか、原子力からのエネルギー供給によって、どのような資源・環境上の効果があるかなど、「原子力による運輸用エネルギー」の展望・解説書をまとめたわけです。Commentarybcover_2

ここで取り上げたテーマは進行中の検討・研究・開発なので、原子力や石炭などでフロンティア分野にチャレンジしている専門家に解説していただき、また在来の運輸エネルギーからの展開については自動車燃料専門家に展望していただきました。

結論的に言えば、
(1) 水素・電気・合成燃料による原子力から運輸部門へのエネルギー供給は技術的に可能
(2) 原子力供給により、化石燃料消費を削減でき、エネルギー自給率向上、石油依存度低減、CO2排出削減に効果
(3) 長期・地球規模のエネルギー供給展望では、原子力は高速増殖炉・プルトニウムリサイクルのタイムリーな導入によって、運輸部門へのエネルギー供給力は十分にある
ということになります。

追記: 原子力エネルギーの運輸セクターにおける利用可能性 -- 英文記事
米国の政治経済評論誌「Executive Intelligence Review, EIR」誌のEconomicsセクションに原子力の運輸セクターにおける利用の可能性について下記の解説を書きました。(2007年11月)

Masao Hori, "Nuclear Energy for Transportation: Electricity, Hydrogen, and Liquid Fuels"EIR Economics (November 2, 2007 p.49-55) ダウンロード

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