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2005年1月

アルキメデス電磁力 Archimedes Electromagnetic Force

"Application of Electromagnetic Force In Mixed-phase Fluid -- Behavior of particles, bubbles, or other dispersed phases in fluid on which electromagnetic force is exerted" English Site Here

私は、約40年前の日本原子力研究所時代に、別のホームページに英文でやや詳しく説明してある「混相流体への電磁力の応用」というテーマの研究しました。その結果は、原子力学会での口頭発表とJAERI Reportでの論文発表により、公表しました。

そのころの本業は原子炉の熱伝達でしたが、液体金属冷却材の研究に関連して電磁流量計や電磁ポンプなどを扱っていましたので、電磁力応用の研究に短期間でしたが関わりました。

appratus当時、混相流体における電磁力の浮力への効果を思いつき、早速実験をすることにしましたが、使用した永久磁石の寸法の制限から一辺が2センチ程度の小さなアクリルの容器で、最初は水銀で実験しましたが表面張力が大きく、また不透明なために、効果を確認できませんでした。そこで、水溶液で実験することにし、永久磁石・直流条件でしたので食塩水は電気分解による気泡発生のために不適で、硫酸銅水溶液を使用して銅電極メッキ作用で気泡発生を抑えました。

電磁力によって浮力を制御でき、水より軽くて浮いている物体が沈んだり、重い物体が浮き上がる現象は、大変に面白く、わくわくしたのを覚えています。

論文にまとめると同時に、幾つかの国内特許と米国など海外特許を申請しました。(下記は国内特許の主なもの)

昭38-45082  電磁力を利用するインゴットや鋳物の製造方法
昭38-45085  電磁力を利用する粒子選別方法
昭39-28563  電磁力を利用する溶融金属精製法
(昭和51年出願 電磁気力を利用した複合材料製造法)

発表の後、論文に対する反響はなく、また特許に対する実用化の申し出もなく現在全て切れております。ただ、これらの国内外の特許が受理されたことは、当時は多分新奇な考案だったのではと自己満足しております。

archimedes2最近、インターネットで、海外ではWorcester Polytechnic Instituteなどが、また国内では名古屋大学や東北大学などが、上記の様な電磁力の効果を金属材料のいろいろなプロセスに応用する研究をしているのを知りました。このような電磁力の効果は、アルキメデスの重力による浮力に電磁力を重畳するものなので、"Archimedes Electromagnetic Force"と呼ばれており、1990年頃からとくに金属工学分野で盛んに研究されており、この学問分野は「材料電磁プロセッシング」(Electromagnetic Processing of Materials, EPM)と称されているそうです。

私のJAERIレポートは古い論文(JAERI-1055、1964年)ですが、PDFファイルを作りましたので、興味のある方は、どうぞダウンロードして一覧して頂ければ幸です。

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